【一利一害(いちりいちがい)】の意味と例文と使い方

一利一害(いちりいちがい)

「一利一害」は言葉通りの意味となるので、難しい捻りもなく、とても容易で納得できる四字熟語となっています。「良い事があれば悪い事もある」という、シンプルながらも人生哲学や教訓めいたものを感じさせ、その点からも他の難解な四字熟語よりも親しみがありますよね。それでは、解説となります。

一利一害の意味

「一利一害」の意味は以下の通りです。
・良い事があれば、悪い事もある。利益の一方で損失もある。
・利益があれば害もある事。利益があれば、それと同等の損失や損害も生じる。
・諺「一利あれば一害あり」の略。
平たく言うなら、メリットの裏側には同等のデメリットがあると言う事です。また、利益と同程度の損失や損害があると言う事から、人生はそんなに良い事ばかりではなく悪い事もある。万人は平等でありバランスが取れている等々、拡大解釈も可能ではないでしょうか。”一利”は「一つの利益」「一面からの利点」、”一害”は「一つの損失」「一つの悪い点」「一つの害」となります。

一利一害の由来・出典

「一利一害」の由来は、中国・清時代の皇帝・乾隆帝による歴史書「元史」の「耶律楚材伝」となります。

一利一害の類義語・同義語

「一利一害」の類義語には、「一得一失」「一長一短」「利害得失」などが挙げられます。

一利一害の使い方・例文

例文1.副業の株取引で儲けたら、本業の仕事では営業成績が悪く給料が下がる。まさに一利一害で人生は上手くバランス取れていると痛感した。
例文2.自らを凡人と理解しているので、一利一害になる事を想定して、取りあえずは貯金ばかりしている。
例文3.一利一害は生きていると必然なので、出来るだけ目立たずに平凡に暮らすようしている。
例文4.学生時代に誰もが羨む美人と付き合ったら、アラサーになっても彼女が忘れられずに独身なので、女運は既に一利一害で使い果たしたと納得している。
例文5.どんなに大金持ちでも、何かしらの問題を抱えているので、一利一害は万人に通用する説だと信じている。
良い事があれば悪い事もあるとする「一利一害」を使った例文です。

一利一害の会話例

男性
今週も仕事でミスばかりで、まったく良い所がなかった。俺って駄目だなー。
女性
落ち込まないで下さい。人生はバランスですよ。悪い事ばかり続かないから、来週は良い事がありますよ。
男性
それって、一利一害だよね。でも、俺の場合は土日に良い事が多く、残りの平日が悪い事でバランス取れている気がするけど。
女性
それが悲観なんですよ。大丈夫、来週は輝かしい一週間が始まりますって。

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一利一害の豆知識

「一利一害」は良い事と悪い事が平等と説いていますが、逆に悪い事に関する四字熟語は「自業自得」「因果応報」「自縄自縛」「三世因果」「応報覿面」等となります。利益だけとなるのは大半多く、「一粒万倍」「一攫千金」「一挙両得」「薬九層倍」「一石二鳥」等々があります。

一利一害の難易度

「一利一害」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”利”と”害”は7級で小学校中学年レベル、残りは小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一利一害のまとめ

「一利一害」は、良い事があれば悪い事もあるという、人生の哲学や教訓めいた簡単ながらも実に奥深い四字熟語です。利益があれば損失や損害があるという意味も兼ね備え、どんな人でも良い事の裏側には悪い事が待ち構えているのです。

一利一害でメリットとデメリットがあるのだ
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