【和氏之璧(かしのへき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

和氏之璧(かしのへき)

「和氏之璧」とは「貴重な宝物の喩え」です。宝物を何とするかは個人の価値観で分かれるところもありますが、大勢が広く共通認識となる宝石といった売却すれば大金を受け取れるものとするのが一般的ではないでしょうか? ですから、大変価値がある貴重な宝石といった物の喩えとなるのが「和氏之璧」です。

和氏之璧の意味

「和氏之璧」の意味は以下の通りです。
 ・滅多に手に入らない貴重な物の喩え。
 ・この世に滅多にない宝物。
 ・古代中国の名玉(宝玉)から、この世に二つとない珍しい宝物の事。
 ・「和氏の璧」「連城の璧」も同義。「かしのたま」とも読む。
”和氏”は「中国春秋時代の王国・楚(そ)に実在した人物・卞和(べんか)の事」、”璧”は「宝玉」で、素晴らしい宝物や貴重な物の喩えが「和氏之璧」です。これだけではなぜ貴重な宝物の喩えとなるか不明なので補足をすると、春秋時代の楚で暮らす男(卞和)が山の中で宝玉の原石を発見し、さっそく王様に献上したが男を信用できないと判断して、無価値の石で騙そうと企む不届き者として両足を切断します。しかし、改めて原石を磨くと美しい宝玉であったと証明された事から、”和氏”の発見した”璧”は素晴らしい名玉となりました。

和氏之璧の由来・出典

「和氏之璧」の由来は中国戦国時代の思想家・韓非子の著書「韓非子」の和氏となります。

和氏之璧の類義語・同義語

「和氏之璧」の類義語には、「隋珠和璧」「随侯之珠」「卞和之璧」「連城之璧」などが挙げられます。

和氏之璧の使い方・例文

例文1.骨董品店を散策していたら素晴らしい一品を発見し、これは和氏之璧に違いないと心が躍り購入したが、家に帰り詳しく調べたら贋作と知りガッカリした。
例文2.日本美術の世界はヤク〇顔負けの闇深さで、それこそ和氏之璧もあるが紛い物の多く素人が踏み込んではいけない特殊世界だ。
例文3.現在の有名ブランドの品を新品のまま保存しておけば、数十年後には和氏之璧となって儲ける事が出来るかも知れない。
例文4.俺も家にいながらスマホやパソコンを操作して、和氏之璧を右から左に転売するだけで儲けてみたいものだ。
例文5.国葬参加者にはどんな和氏之璧が配られ、それがメルカリで転売されるかと思うと楽しみで仕方がない。
「和氏之璧」を使った例文となります。

和氏之璧の会話例

男性
俺ってレコード屋を巡るのが趣味なんだけど、やっと長年探していたレコードを発見したんだよ。もう本当に貴重で現存するのは10枚あるかないかってレベルのお宝で…。
女性
そのレコードは買ったの?
男性
もちろん。2万円ぐらいしたけど、これを他のマニアに転売したら10万はいくからね。海外なら30~50万にもなるよ。
女性
凄いじゃない。さっそく売りましょうよ。えっ、電車の中に置いてきて無くした? バカじゃないのせっかくの和氏之璧を忘れるなんて。

大事なお宝レコードを購入したが、無くしてしまったというオチです。

和氏之璧の豆知識

「和氏之璧」から”宝物”に関する四字熟語は、貴重な宝物や重要な地位や高い名声の喩え「九鼎大呂」、黄金や珠玉などの宝物が家中にある「金玉満堂」、七宝と多くの宝物の「七珍万宝」、自分の短所が分からない喩えであり自分のものはつまらなくても宝物に思える喩えでもある「弊帚千金」などがあります。

和氏之璧の難易度

「和氏之璧」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”之”は準1級で大学一般レベル、”壁”は2級で高校レベル、”氏”は7級、”和”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

和氏之璧のまとめ

「和氏之璧」は古代中国の山の中で宝玉を発見した男の故事から、珍しい宝物や大変貴重な宝物の喩えです。現代でも貴重な品々を形容する際などで使い勝手が良い四字熟語となっています。

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