【蓬頭垢面(ほうとうこうめん)】の意味と例文と使い方

蓬頭垢面(ほうとうこうめん)

「蓬頭垢面」とは「外見が小汚いという意味合いで、むさ苦しい男の喩え」です。いつの時代も外見というのは大事な要素で、清潔感があるファッションに身を包み少しばかりの優しさや気遣いも兼ね備えれば、周囲からはイケメンという条件に当て嵌まるようです。しかし、現代はそんな男性が多いのに独身者が増えているのは、時代の転換期なのかも知れませんね。

蓬頭垢面の意味

「蓬頭垢面」の意味は以下の通りです。
 ・身嗜みに無頓着でむさ苦しい様。また、外見を気遣えないほど貧しい喩え。
 ・ぼさぼさ髪の頭に垢まみれの顔面の事で、薄汚い喩え。
 ・容姿をまったく気にせず整えない男の事。
 ・「ほうとうくめん」とも読む。
”蓬頭”は「よもぎ葉のようなぼさぼさ髪」、”垢面”は「垢まみれの顔」で、自分のぼさぼさ髪や顔の汚れなどを気にしないのが「蓬頭垢面」となります。そこからさらに、外見に無頓着・身嗜みを気にせずむさ苦しい(男)・貧相・生活苦・貧しいといった意味合いも込められています。よって、現代でも同等の意味として、ファッションや髪形のセンスが悪かったり、或いは貧しくてファッションに構ってられないのを謙るように「蓬頭垢面」となります。

蓬頭垢面の由来・出典

「蓬頭垢面」の由来は古代中国の歴史書「魏書」の封軌伝となります。

蓬頭垢面の類義語・同義語

「蓬頭垢面」の類義語には、「蓬髪垢面」「囚首喪面」「弊衣破帽」「敝衣蓬髪」などが挙げられます。

蓬頭垢面の使い方・例文

例文1.「若い頃はモテたが、今は蓬頭垢面で薄汚い親父だよ」と笑う上司だが、明らかに若い頃から全くモテなかったのに決まっているが、お互いに虫歯で前歯が無い者同士が揉めても仕方がないので黙って聞いたフリをする。
例文2.メルカリで中古購入したユニクロを着るぐらい蓬頭垢面だが、身長が180ぐらいあるからかバイト先の人達はオシャレと言ってくるので、こんな人が壺を購入して騙されると思ってしまう。
例文3.整形をしたのに想像以下の顔に仕上がったのでそのストレスから蓬頭垢面として生きる事を決意したら、母親が整形をしたいと告白をした以上に泣いてしまって慌てた。
例文4.グランジは蓬頭垢面な印象を抱きがちだが、あれは某バンドのボーカリストだけがそんな風を装っていただけで、残り大勢は風呂も入るし髪もきちんと洗う。
例文5.財布に金がなくクレジット会社には借金があれば蓬頭垢面となるものだが、現代人は身嗜みには拘って財布は高級ブランド、スマホは絶対iPhone、車はトヨタのハイブリッドカーか年式が新しい軽と典型的だから、これにはジョブズ達も草場の陰で間抜けな日本人の感覚にニッコリ微笑んでいるだろう。
「蓬頭垢面」を使った例文となります。

蓬頭垢面の会話例

男性
俺ってそんなにむさ苦しいかな?
女性
まあ、オシャレではないしイケメンでもないからね…。どっちかって言えばよ、どっちかと言えば…。で、どうして今更気にしているの?
男性
お盆休みで実家に帰ったら、母親と妹と義弟が顔を突き合わせてそんな話をしているんだよ。何も俺が久しぶりに帰った時に言うなって感じだろ。
女性
それは久しぶりに顔を見たから、もう憎たらしいぐらいに蓬頭垢面だから、心配したんじゃないですか? でも先輩の場合は中途半端に結婚しても離婚しそうだし、難しいですね。

母親や妹からもむさ苦しいと思われている男性が職場後輩に不満を話しています。

蓬頭垢面の豆知識

「蓬頭垢面」から”顔”に関する四字熟語は、和やかで温和な顔付きや言葉となる「和顔愛語」、危機的な状況でも顔色一つ変えない「神色自若」、顔立ちが痩せ衰えて生気がない「形容枯槁」、顔かたちを飾らない喩え「囚首喪面」などがあります。

蓬頭垢面の難易度

「蓬頭垢面」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”蓬”と”垢”は準1級で大学一般レベル、”面”は8級で小学校中学年レベル、”頭”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

蓬頭垢面のまとめ

「蓬頭垢面」は乱れた髪と垢で汚れた顔から、外見に無頓着やむさ苦しい男の喩えです。さらには、外見を気遣えないほど生活苦や貧相に薄汚いといった意味ともなり、古代中国も常識として外見には気を遣っていたと窺い知れます。

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