【繁文縟礼(はんぶんじょくれい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

繁文縟礼(はんぶんじょくれい)

「繁文縟礼」とは「礼儀や規則があまりにも煩わしく物事が捗らず非効率な事」です。何をするにしてもルール作りは大事ですが、ルールをあまりにも厳しくすると不満を覚える人も出てきますよね。適度なバランスが大事であったり、その都度改正をするべきなのですが、制定する側は自分達の不備を認める事になるのでどうしても腰が重くなります。

繁文縟礼の意味

「繁文縟礼」の意味は以下の通りです。
 ・規則や作法が細かく定められ面倒な事。
 ・規則などが細かすぎて手続きが多い事から、非常に非効率な状況。
 ・無用の虚礼。
 ・略した「繁縟」や「繁文縟節」も同義。
”繁文”は「ごてごてした飾り」「細々して煩わしい」「規則が多く面倒」、”縟礼”は「込み入った礼儀作法」で、規則や手続きなどのルールが細かくて煩わしいのが「繁文縟礼」です。また、手続きなどに時間を要するので、結果的には効率が悪く作業が捗りません。そんな状況に嫌気が差して批判するように、「役所の時代錯誤な繁文縟礼には辟易する」といった風に使います。因みにアメリカでは公文書を束ねる際には赤い紐で縛るので、そこから「レッドテープ」とも呼ばれています。

繁文縟礼の由来・出典

「繁文縟礼」の由来は残念ながら不明です。文献としては、近代日本のジャーナリスト・徳富蘇峰の著書「大日本膨脹論」(1894年)などに文言が記されています。

繁文縟礼の類義語・同義語

「繁文縟礼」の類義語には、「レッドテープ」「手続主義」「形式主義」「御役所仕事」などが挙げられます。

繁文縟礼の使い方・例文

例文1.役所が新しく建て替えられたが窓口担当者は相変わらず非効率で時間ばかり掛かり、建物だけは良くなっても繁文縟礼な点は昔と何一つ変わらない。
例文2.為替相場や低金利にカルト教団にはのらりくらりと何もしない無策な国家が、国葬だけはスピード決定して繁文縟礼を忘れさせるのは実にお見事と嫌味を言いたくなる。
例文3.新課長の○○さんは臨機応変に仕事をこなす能力が皆無で、そのくせに繁文縟礼で時間ばかり掛かるので周囲は「効率良くしてくれ」と一言喉まで出かかるがギリギリ堪える。
例文4.この国はとかく繁文縟礼にするが、それは簡素化して便利な社会になれば仕事を奪われてリストラや倒産する企業が増えてしまうからだ。

例文5.マイナポイントの手続きがあまりにも繁文縟礼で笑ってしまうが、一体何回パスワードを入力させるのかと途中で数える気も失せた。
「繁文縟礼」を使った例文となります。

繁文縟礼の会話例

男性
これから役所に行くんだよ。嫌だなー。
女性
何かの手続きですか?
男性
仕事もあるんだけど、ついでにマイナンバーの更新もしてくる。だけど時間ばかり取られるんだよな。あの人達には繁文縟礼という概念がないから。
女性
確かに本当に混んでいますよね。でも、暇そうな部署は窓口がガラガラじゃないですか? 少しは忙しいところに振り分けるとかバランスを考えないのが不思議ですね。

非効率な役所について不満を語り合う職場の男女です。

繁文縟礼の豆知識

「繁文縟礼」から”礼儀”に関する四字熟語は、礼儀に適った立ち居振る舞いの仕方「行儀作法」、私情や私欲に打ち勝ち社会の礼儀に適った行いをする「克己復礼」、品格や良識があり礼儀正しい男性と女性「紳士淑女」などがあります。

繁文縟礼の難易度

「繁文縟礼」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”縟”は1級で大学一般レベル、”繁”は4級で中学レベル、”礼”は8級で小学校中学年レベル、”文”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

繁文縟礼のまとめ

「繁文縟礼」は規則や礼儀作法などが面倒であったり手続きが煩わしい事です。相手の事を考えずに自分達だけの都合で物事を進めるとどうしても規則や手続きを重要視するので、そこから役所や企業などの仕組みや対応を批判する際などに使用されます。

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