【醇風美俗(じゅんぷうびぞく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

醇風美俗(じゅんぷうびぞく)

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」や「男はつらいよ」などの作品を観終わると、何とも言えない古き良き時代の人々の繋がりや温もりめいたものを感じてしまいます。現代人ほどそんな厚い人情を直に体感したいのではないでしょうか? 閑話休題、四字熟語の「醇風美俗」はそんな意味合いが込められた言葉であり、ギスギスした世の中だからこそ余計に憧れの対象となる言葉となっています。それでは正しい意味や由来などの解説に入らせて頂きます。

醇風美俗の意味

「醇風美俗」の意味は以下の通りです。
・人々の人情が厚く美しい風習や習慣。他人への思いやりがある古き日本らしい生活習慣。
・美しく望ましい日常生活のしきたりや風習。
・「淳風美俗」と同義。
「醇風美俗」の”醇”は”淳”とも書くので、「淳風美俗」とは基本的に同義扱いとなります。「醇風美俗」とは、端的に言うなら昔の日本には当たり前にあった生活習慣で、具体的には家族や知人友人や隣近所などとの当たり前な助け合いの人付き合いです。昭和時代までは他人との密なコミュニケーションは当たり前で、物の貸し借りや子供を預けるなどは日常茶飯事でした。それを今でこそ他人への思いやりや人情と呼びますが、当時は当然の事だったのです。特別迷惑や有り難がる訳でもなく、自然と互いに助け合って生活を送っていました。そのような生活様式を「醇風美俗」(又は「淳風美俗」)と呼びます。

醇風美俗の由来・出典

「醇風美俗」の由来や発祥は残念ながら不明ですが、中国語の「醇風美俗」が日本では明治時代以降に教育勅語と繋がり独自に進化していったと推測できます。中国では家族生活に対して用いられていましたが、日本ではさらに発展させ隣近所や地域社会、そして国に対しても品のある正しい姿をとるのが日本人らしい生活態度となりました。

醇風美俗の類義語・同義語

「醇風美俗」の類義語には、「良風美俗」「公序良俗」などが挙げられます。

醇風美俗の使い方・例文

例文1.これまでは密な人間関係を避けてきたが、就職して寮生活になって醇風美俗を体感して逆に新鮮だった。
例文2.私は一人っ子で両親以外とは付き合いがあまりなかっただけに、醇風美俗な環境で育ち明るく朗らかな性格の友人がとても羨ましい。
例文3.小さい飲み屋が流行るのは、人々の心理として醇風美俗な人情ある会話を本当はしたい欲求があるのだろう。
例文4.妻は醇風美俗を大事にする考えで、そこに惹かれて結婚したが、最近は単に外面が良いだけに思えてならない。
例文5.現代は醇風美俗を懐かしむ傾向だが、当時はプライバシーがなく辟易していた人が実は多かったのが現状ではないかと思う。
人間関係などで「醇風美俗」を使った例文となります。

醇風美俗の会話例

男性
美味しいねー、このカレー。自分で作ったのならプロ級だよ!
女性
もちろん手作りですよ。でも、母が作っているレシピ通りですけど。
男性
いやいや、それでも凄いよ。こんなに美味しいカレー初めて食べたよ。
女性
実は母も若い時に、隣近所の人から教わったそうです。当時は醇風美俗な人付き合いが当たり前だったから、隣近所で料理のおすそ分けとか当たり前だったそうです。カレーを多く作って、隣の家にも分けるって今なら絶対にないですよね。

職場の男性が、同僚女性が作ったカレーを絶賛するという会話です。

醇風美俗の豆知識

「醇風美俗」の”醇風”は”淳風”ともなり、”淳風”は「淳美」と「風俗」を合わせたものです。「淳美」は「人情が細やかで素朴な美しさ」、「風俗」は「ある時代の生活上の習慣」「風習」の事です。”美俗”は「麗しい習慣」となり、似た意味を繰り返しています。また「風習」は、その土地に長年伝わる生活様式や仕来りとなります。

醇風美俗の難易度

「醇風美俗」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”醇”は準1級で大学一般レベル、”俗”は4級で中学レベル、”美”は8級で小学校中学年レベル、”風”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

醇風美俗のまとめ

「醇風美俗」は、人々の人情が厚い、他人への思いやりがあるといった意味の四字熟語です。現代でもこの様な生活習慣や気風の人にも使えますが、基本としては古き良き時代の日本人らしい隣人などとの密接で心遣いある人間関係を構築している際に用いられます。

醇風美俗を感じる景色
最新情報をチェックしよう!