【阿附迎合(あふげいごう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

阿附迎合(あふげいごう)

阿諛追従や阿諛追随など、媚びを売るやへつらうとなる四字熟語は大変多く、その中でも有名なのが「阿附迎合」です。”阿諛”ではなく”阿附”となるのが最大の違いであり注意点ですが、大きな違いはそれぐらいで、後はほぼ同義といっても問題ないほど似通っています。それでは、そんな類語が多い「阿附迎合」について調べてみました。

阿附迎合の意味

「阿附迎合」の意味は以下の通りです。
・相手の機嫌を取り、媚びへつらう。相手に気に入られようと、へつらい従う。
・相手の言い分は何でも聞き入れ、自分の考えはない事や曲げても気に入られようとする。
・「阿付迎合」とも書く。また「阿諛迎合」も同義となる。
大凡の意味は上記の通りで、前述した阿諛追従や阿諛追随などと大きな違いはありません。要するに、相手に媚びる事で、目的は気に入られる為です。会社など組織で働くなら、上司など自分より立場が上の者から好かれる方が圧倒的にメリットとなるので、その為に媚びへつらうのです。それ以外でも、仕事が営業なら取引先に対して、何かしらの弱みが握られている場合、地元の有力者等々にも媚びる事は多々あるでしょう。所謂、大人が生きる上での処世術であり、古今東西を問わず結局は誰しもこの様な事をしてしまうのです。

阿附迎合の由来・出典

「阿附迎合」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”阿附(阿付)”は鎌倉時代末期から南北朝時代の禅僧・明極楚俊の「明極楚俊遺稿」、”迎合”は明治時代の評論家・小説家の内田魯庵による「緑蔭茗話」(1890年)などに文言が残されています。

阿附迎合の類義語・同義語

「阿附迎合」の類義語には、「阿諛曲従」「阿諛追従」「阿諛便佞」などが挙げられます。

阿附迎合の使い方・例文

例文1.四六時中いかなる時でも阿附迎合できれば出世間違いなしと、若い頃に教わってきたが、今では通用しないそうだ。
例文2.私は阿附迎合においては職場で敵無しだと自覚してきたが、今度中途採用された一人が曲者のような媚びを売り、うかうかしていられなくなった。
例文3.母が反抗期の娘に、「お父さんが職場で阿附迎合をしてくれるからご飯食べられるの!」と力説して、少々複雑で恥ずかしくなった。
例文4.小学生の息子は、成績や評価アップを狙い担任教師に阿附迎合をしていると知り、一体誰に似たのかと頭を抱えてしまった。
例文5.振り込め詐欺も、最初は阿附迎合みたいに振る舞うだろ。それが営業のコツだと、先輩が教えてくれた。
媚びを売るのを「阿附迎合」とした例文です。

阿附迎合の会話例

男性
ところで、阿附迎合するの上手くない? 一体どこでそんなテクニックを覚えたの?
女性
気付きました! 実は何度か転職しているので、接客業や営業経験があるんです。相手を喜ばせたり媚びを売るのは得意なんですよ。
男性
流石だよ。俺なんて、営業スマイルすらできないからね。
女性
どうですか? 貴重な戦力として私を認めてくれました。

中途で職場に入った女性が、実はお客に媚びを売るのが上手で驚くという会話です。

阿附迎合の豆知識

”阿附”や”阿諛”を含まない「阿附迎合」の様な媚びへつらうを意味する四字熟語は、「世辞追従」「暗送秋波」「唯唯諾諾」「曲学阿世」「俛首帖耳」となります。これらは比較的に含みを持たせた意味となる場合が多く、例えば「暗送秋波」は機嫌を取るだが、女性の色目という意味もあります。「曲学阿世」の場合も、学問の道理を曲げて権力者に媚びを売るとなります。

阿附迎合の難易度

「阿附迎合」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”阿”は準1級で大学一般レベル、”附”は準2級で高校レベル、残り二文字は小学校で習う四字熟語となります。

阿附迎合のまとめ

「阿附迎合」は、相手の機嫌を取る為に媚びへつらい、また言い分を何でも聞く事です。要するに、相手の意見は何でも聞き入れ、もし自分の考えとは違っても当然ながら相手の意見に従うのです。営業などの仕事では、この様な事をするのもある意味で日常茶飯事であり、時代が変わっても権力側に媚びへつらうのは何ら変わりがないのです。

阿付迎合で媚びを売る男性
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