【曲学阿世(きょくがくあせい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

曲学阿世(きょくがくあせい)

いつの時代も学問の探究に熱心な人というのは必ず存在するものです。なぜなら、彼らの努力が現世だけでなく、後世の為に役立つのは間違いないからです。そんな学問の真理に背くのが「曲学阿世」という四字熟語です。一体どんな意味なんだと思うでしょうが、要は世間や権力者に媚を売るような事と理解すれば大凡で問題ありません。では、現在も残念ながら存在するであろう「曲学阿世」についての解説となります。

曲学阿世の意味

「曲学阿世」の意味は以下の通りです。
・学問の真理を背いたり道理を曲げる事。真理に背いて世間に気に入られる説を唱える。
・学問の真理に反して権力者や世間に媚びへつらい、またその様に振る舞う事。
・時代の権力者や風潮に迎合する言動を取る。
”曲学”は「真理を曲げた学問」「事実を無視して学問を歪める」、”阿世”は「世間におもねる」「世俗に媚びへつらう」となり、己が目指した学問の真理に背いても世間や権力者に媚びへつらうという意味になります。時代背景から、やむを得ず真理を曲げる場合もあると理解できますが、一方では世間に受け入れやすい説の方が立場が良くなるとも思えます。また、「曲学阿世の徒」という使い方も有名で、上記の様な意味を行う人々の事です。実際に使用する場合は、有名人や国家を非難したり遺憾と嘆く際に「曲学阿世」を使うパターンが多くなります。

曲学阿世の由来・出典

「曲学阿世」の由来は、中国前漢時代の歴史書「史記」の「儒林列伝」となります。

曲学阿世の類義語・同義語

「曲学阿世」の類義語には、「阿世曲学」「陣笠連中」などが挙げられます。

曲学阿世の使い方・例文

例文1.曲学阿世に成り下がらない研究者こそ、今の時代に求めれる貴重な人材だ。
例文2.政権批判したら任命拒否するという対抗策に出るのがまかり通れば、この国の学問に携わる研究者は尻尾を振るイエスマンな曲学阿世だらけになる。
例文3.曲学阿世の徒とその支持者が勢力を拡大している気がする。
例文4.テレビなどメディアに頻繁に出てくる大学教授などは、曲学阿世な手腕を武器にして現在の地位を得たと勘繰ってしまう。
例文5.曲学阿世な教授の事は、本来は否定や拒否しなければいけないが、残念ながら人気者になってしまうのが嘆かわしい。
大学教授などに「曲学阿世」を使った例文となります。

曲学阿世の会話例

男性
相変わらず、ワイドショーやニュースにはどこかの大学教授が出演しているね。そんなに暇なのかな?
女性
えー、いいじゃないですか。私は渋いおじさん好きだけど。
男性
そうかなー。あのおじさん達は、もっと偉いおじさん議員に気に入られようと、曲学阿世をしているだけで中身は空っぽだぞ。
女性
でも、偉くて賢いから教授なんでしょう?

職場の男女が、テレビに出演する大学教授について意見が分かれる会話をしています。

曲学阿世の豆知識

「曲学阿世」の様に学問に関する四字熟語は、「記問之学」「学知利行」「韋編三絶」「円木警枕」など多数あります。一見すると学問系の言葉は、苦労して学問に精進したというものが多い感じがしますが、「曲学阿世」や「記問之学」のように学問を斜めから見た言葉も多数あります。中でも「文人相軽」は、学問知識が豊富な文化人はプライドが高く互いに他者を軽んじるとなり、メディア露出が多い教授などは正にその通りだと納得してしまう程です。

曲学阿世の難易度

「曲学阿世」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”阿”は準1級で大学一般レベル、”曲”と”世”は8級で小学校中学年レベル、”学”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

曲学阿世のまとめ

「曲学阿世」は、学問の真理や道理に背き世間や権力者に媚びへつらうという意味の四字熟語です。それだけ世間や権力者が怖く時代に応じた方が得策と考えているのでしょうが、研究者や教授などがその様な姿勢を取るのは大問題であり嘆かわしいと、訴えている言葉だと理解ができます。

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