【責任転嫁(せきにんてんか)】の意味と例文と使い方

責任転嫁(せきにんてんか)

「責任転嫁」とは「自分の責任を他人に擦り付ける事」です。自分が間違いを犯したのなら素直に認めて謝るのが常識ですが、しかし、世の中は非常識がまかり通っているので実に厄介なのです。往々にして「責任転嫁」の場面は遭遇しますし、何なら「責任転嫁」をした方が問題を回避したと出世する事もあります。

責任転嫁の意味

「責任転嫁」の意味は以下の通りです。
 ・自分が負うべき非難や制裁から逃れる為に、失敗の原因を他人に擦り付ける事。
 ・責任を回避する為の言動や態度で他人に責任を負わせる悪賢さ。
”責任”は「負わなければならない任務や義務」「自らが責めを負う」、”転嫁”は「二回目の嫁入りから他に移す事」「自分の罪を相手に擦り付ける」「感情が他に及んでいく」で、自分の過ちなどからの責任を回避する為に他人に擦り付けるのが「責任転嫁」です。要するにとてもズルく姑息なやり方ですが、誰しも大なり小なりで「責任転嫁」をしてしまうのも事実です。悪意から相手を貶める策略とする場合もありますが、日常生活で多いのは失敗などを両親や教師に名乗り出る勇気がなく、自分が助かる代わりに誰かが疑われるのも一種の「責任転嫁」だからです。他に多いのは、職場などで立場が偉くなるほど処世術として、「責任転嫁」から失敗を部下に押し付けるケースもあります。これは何か失敗が発覚すると誰かが責任を取る必要があるので、上司や部下に同僚の中でも狡猾な者は巧みに責任を回避し、そして相手に投げ掛けるのです。手柄は独占し責任は相手に負わせるのが優秀なサラリーマンであり、出世の階段を上っていきます。よって、「責任転嫁する人」「責任転嫁が巧み」となるだけでなく、非難するように「責任転嫁はさせない」「責任転嫁をするな」といった使い方もされます。

責任転嫁の由来・出典

「責任転嫁」の由来は残念ながら不明です。文献としては、小説家・山崎豊子の著書「白い巨塔」(1965年)などに文言が記されています。

責任転嫁の類義語・同義語

「責任転嫁」の類義語には、「逃げ口上」「責任回避」「責任逃れ」「その場凌ぎ」などが挙げられます。

責任転嫁の使い方・例文

例文1.私は入社して以来誰にも言っていないが責任転嫁だけで出世してきたと自負していて、この前初めて同僚に打ち明けたら大笑いされ同期の全員が知っていると言われショックだった。
例文2.元国家元首は何の能力もなく悪さばかりしていたが、責任転嫁と子分のように擁護する仲間を見つける力だけは世界一ではないのか。
例文3.国会答弁で責任転嫁を繰り返したお陰でこの国は力を失いろくでもない国家だとバレてしまい、為替は暴落し給料は上がらず借金だけが増えていく。
例文4.何とかW杯の出場を獲得したから良かったが、もし予選敗退をしたら監督は責任転嫁をせずにきちんと己の無能を認めたのだろうか。
例文5.責任転嫁する癖を克服しようと、まずはダイエットと禁酒で内面に気合を注入する事にした。
「責任転嫁」を使った例文となります。

責任転嫁の会話例

男性
今度の総理は責任転嫁をしなさそうだからいいね。
女性
そう? 前が酷かっただけで、これぐらいは普通の人だって責任転嫁をしないでしょう。
男性
まあ、そうだけど。ところで、急速に円安が進んでいるけど、日銀や財務大臣の存在感の無さは見事だね。あれは教えられても出来るもんじゃないよ。
女性
だって普通は悪い事態が起これば、何か対策をしようと考えるじゃない。でも何もしないで、あの人達は今頃は責任転嫁の策だけを必死に考えているのよ。やれアメリカの政策金利が上がったからとかってね。

政府や日銀を批判する会話となります。

責任転嫁の豆知識

「責任転嫁」から”責任”に関する四字熟語は、責任ある地位ながら職務を果たさず給料だけは貰う「尸位素餐」、戦に敗れた将軍や責任者から仕事などに失敗した者の喩え「敗軍之将」、複数人で責任を分け合う「連帯責任」などがあります。

責任転嫁の難易度

「責任転嫁」は漢字検定3級から8級相当の文字組み合わせで、”嫁”は3級で中学卒業レベル、”責”と”任”は6級で小学校高学年レベル、”転”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

責任転嫁のまとめ

「責任転嫁」は自分の失敗であり責任を負うべきなのに相手へ擦り付ける事です。汚くても自分自身を守る行為ですが、同時に相手の立場や状況などはまったく考えず実に身勝手な行動が「責任転嫁」で、こうして責任を誰かに押し付けてばかりいると必ずしっぺ返しを喰らいます。

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