【阿諛追従(あゆついしょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

阿諛追従(あゆついしょう)

誰しも人間関係が上手くいかない時の一度や二度、過去にはあったと思います。進学や就職や転職など新しい環境に馴染めない時、思わず媚を売るような態度を取ってしまった事もあるでしょう。今回はそんな意味合いとなる「阿諛追従」についての解説となります。

阿諛追従の意味

「阿諛追従」の意味は以下の通りです。
・相手に気に入られようと、媚びを売りへつらう事。
・相手の機嫌を取ろうと、調子の良い事を言ったり従う事。
・媚びへつらう。おべっかを使う。ご機嫌を取る。
同様の意味の「阿諛便佞」も非常に良く似ていますが、より媚びを売ったりご機嫌取りとなるのが今回の「阿諛追従」です。”媚び”や”媚びる”は、部首名が「おんなへん」な事からも、女性が男性の気を惹く為に用いる言葉でもあり、そこからより戦略的なものや自分が有利となるような計画めいたものがあります。よって、単なる機嫌取りではなく、そこには狙いがあるのが「阿諛追従」です。職場の上司などに「阿諛追従」をする事で、行く行くは出世や大事な任務を任せられるようにする魂胆が見え隠れします。”阿諛”は「顔色を見て相手に気に入られる様に振る舞う」「へつらう」、”追従”は「後に付き従う」「媚びへつらう」となります。

阿諛追従の由来・出典

「阿諛追従」の由来は、中国前漢時代の歴史書「漢書」の「匡衡伝」となります。

阿諛追従の類義語・同義語

「阿諛追従」の類義語には、「阿諛便佞」「阿諛苟合」「阿附迎合」などが挙げられます。

阿諛追従の使い方・例文

例文1.3歳年上の兄は子供の頃、不満があると何かと殴ってきたので、対処法とした阿諛追従をするクセが大人になっても直らずに困っている。
例文2.上司にごますりの阿諛追従ばかりを繰り返していたら一番のお気に入りになれた。しかし、反面同僚や同期からは目の敵で徹底的に嫌われてしまったが、出世したらその頃の不満を爆発させてやると固く誓っている。
例文3.結婚してから妻の凶暴さが出始め、正直とても怖いので、怒らせない様に阿諛追従をして機嫌を損ねない様に注意している。
例文4.阿諛追従のし過ぎで、私生活でも不自然な笑顔と何でも興味ある風の相槌しか打てなくなった。
例文5.息子の寝顔を見ていたら、この子も将来は俺みたいに阿諛追従ばかりで苦労をするのとかと思うと、急に胸が苦しくなり眼頭も熱くなった。
「阿諛追従」を日々繰り返す悲しい生き様についての例文となります。

阿諛追従の会話例

男性
ふー、疲れた。媚びを売るのも大変だよ。
女性
そんなお偉いさんが東京の本社に帰ったからって、態度変えすぎですよ。
男性
まあそう言わないで。阿諛追従をするのもサラリーマンの宿命だけど、気を遣って疲れるんだよ。
女性
じゃあ、今夜は奥さんに労ってもらって下さい。って、ごめんなさい。離婚したばかりでしたね。

本社からお偉いさんが来たので、媚びを売るような態度に疲れたと男性が愚痴を吐きます。それに女性がフォローするのですが、思わぬ一言を最後に言ってしまいます。

阿諛追従の豆知識

「阿諛追従」の様に”阿諛”を使った四字熟語は大変多く、一例としても「阿諛曲従」「阿諛迎合」「阿諛傾奪」「阿諛便佞」などがあります。これらは基本的には、媚びへつらうという意味ですが、「阿諛傾奪」だけは相手が権力者と限定されています。また、”阿附”を使った「阿附迎合」「阿附雷同」も基本的には同じような意味合いです。

阿諛追従の難易度

「阿諛追従」は漢字検定1級から8級相当の文字組み合わせで、”諛”と”阿”はそれぞれ1級と準1級で大学一般レベル、残り二文字は小学校で習う四字熟語となります。

阿諛追従のまとめ

「阿諛追従」は、相手に媚びへつらうや機嫌を取ろうと調子良い事を繰り返すという意味で、要はご機嫌取りや太鼓持ちといったところです。類似の四字熟語はかなり多く、それぞれ明確な違いは無いに等しいですが、媚びへつらう事から出世など計画めいた目的の為に相手に従うとも解釈できます。

阿諛追従な態度が受け入れられない女性
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