【依怙贔屓(えこひいき)】の意味と例文と使い方

依怙贔屓(えこひいき)

「依怙贔屓」とは「身内などの関係者や気に行った相手だけ肩入れをして、不公平に扱う事」です。人間は皆平等であると平等主義を訴えてきましたが、実際は平等となる瞬間って少ないですよね。特に社会に出ると権力者だけが住みやすい世界だと、つくづく痛感をするものです。それって、「依怙贔屓」な文化が定着した果ての姿なのではと勘繰ってしまいます。そんな「依怙贔屓」についての解説となります。

依怙贔屓の意味

「依怙贔屓」の意味は以下の通りです。
・自分の気に入った人や関係者だけに肩入れして、公平に扱わない事。
・好きな相手だけ手心を加えたり甘やかしたり味方をして、周囲から不満が出てしまう状態。
・「依怙贔負」「依怙贔屭」とも書き同義。
”依怙”は「一方だけ贔屓にする」「不公平」「頼る」「自分だけの利益」、”贔屓”は「気に入った方を引き立てる」「後援する」「引き立てる」で、自分のお気に入りの相手だけを明らかに肩入れして、甘やかしたり大目に見るなど、もう片方と公平・平等に接しないのが「依怙贔屓」です。ですから、「依怙贔屓」される対象はいいでしょうが、それ以外の人は面白くなくて不公平感や不信感を抱くものです。「依怙贔屓」はどの現場にもありますが、特に職場や学校など組織の中では横行をしていて、一部では権力者の息子娘だからと忖度をして贔屓にする場合もありますが、その多くは単純に嫌いな人には厳しくするという人間の本性が露わになっているに過ぎません。また、お店がお得意さんに対して特別サービスを提供するのも一種の「依怙贔屓」ですし、他の客からしたらなぜ自分にはそうしないのかと思うでしょう。そして最たる例はスポーツの審判で、時折「依怙贔屓」である「アンフェアな判断」が大きな論争にまで発展する事があります。大事な試合になればなるほど、公平な判断が求められますが、審判も人の子なので純粋に判定ミスをする場合もありますし、何よりもどちらかに肩入れをしたり、買収されている場合もあってしまうのです。

依怙贔屓の由来・出典

「依怙贔屓」の由来は残念ながら不明です。文献としては、江戸時代初期に作られた織田信長の一代記「信長公記」(1622年)などに文言が記されています。

依怙贔屓の類義語・同義語

「依怙贔屓」の類義語には、「判官贔屓 」「党派根性」などが挙げられます。

依怙贔屓の使い方・例文

例文1.担任教師があまりにも依怙贔屓をするので、学校に行くのが嫌になりつつある。
例文2.芸能界で依怙贔屓を手にするには、大手事務所に所属して大物に好かれるのに限り、これさえあれば歌唱力や演技力などは二の次三の次となってしまう。
例文3.前総理の依怙贔屓ぶりは歴代トップで、友達や身内の為なら嘘を平然と吐きまくるのだから手に負えない。
例文4.二人の娘のどちらからも、「パパ、依怙贔屓をしないで」と言われるので、どう対応するべきか悩んでしまう。
例文5.上級国民は国から依怙贔屓される典型で、犯罪をしても守られてしまうのだから恐れ入った。
典型的な「依怙贔屓」を使った例文となります。

依怙贔屓の会話例

男性
俺って、依怙贔屓をしているように見えるか?
女性
あなたの仕事ぶりは分からないけど、そんな事はないんじゃない!
男性
そうだろ。でも、最近の若い世代は変なところで、依怙贔屓って騒ぐんだよ。それは勝手な思い込みだよって、言いたいけど…。面倒事はマズイから、取りあえず俺が謝る。なんで上司が新人に気を遣うんだよ。
女性
そんなに鼻息を荒くしないで、我慢して下さい。

仕事が終わり帰宅した夫が、職場の不満を妻に吐露しています。

依怙贔屓の豆知識

「依怙贔屓」から”公平”に関する四字熟語は、公平で思いやりがある政治が行われている「王道楽土」、国際紛争で中立立場を取る「局外中立」、一方に偏らず平等な「公平無私」、私心を差し挟まず公正に行う「公明正大」、この上なく公平な「至公至平」などがあります。

依怙贔屓の難易度

「依怙贔屓」は漢字検定1級から4級相当の文字組み合わせで、”怙”と”贔”と”屓”は1級で大学一般レベル、”依”は4級で中学レベルの四字熟語となります。

依怙贔屓のまとめ

「依怙贔屓」は不公平な態度や物言いなど、気に入った相手や関係者には有利や特別扱いをする事です。学校の教師、職場の上司、スポーツの審判など立場が上の者が特に気に入った相手だけに配慮するので、それ以外の者にとっては気分を害するものです。

依怙贔屓は英語でBias。
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