【王道楽土(おうどうらくど)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

王道楽土(おうどうらくど)

「王道楽土」とは「公平・公正な政治で国を治める安楽の土地」の事です。少々堅苦しくて分かり辛いですが、古代中国の人々を平和で快適に暮らせる為の政治理想や理念とすれば、理解できると思います。要するに、現代にも通じる楽園や理想郷を目指す正しい姿勢なのです。”王道”や”楽土”からも、どことなくポジティブな印象を抱けるので、そんな「王道楽土」についての解説となります。

王道楽土の意味

「王道楽土」の意味は以下の通りです。
・君主(帝王)が仁徳によって治める平和で楽しい土地。
・公平な政治が行われている楽園の様な土地や国の事。
・儒教による理想的な政治の姿で、安楽な生活が送れる地の喩え。
”王道”は「儒教の理想で君主が仁義の元で国を治める」「物事が進む正当な道」「古代中国での儒教の政治思想」、”楽土”は「心配が苦労なく暮らせる土地」「楽園」「安楽な地や国」となり、政治が安定して人々が暮らしやすい土地や国を「王道楽土」となります。さらに深掘りすると、「王道楽土」は古代中国から伝わる儒教の政治思想で、儒教の理想を体現化した君主が仁義によってきちんと国を治める”王道”(政道)が行われている土地や国となります。よって、”王道”に基づく人々が暮らしやすい楽園の様な場所と理解できます。これをかみ砕いて現代風に解釈するなら、人々は公平な政治によって平和で楽しく暮らしていけるのが「王道楽土」です。楽園や理想郷の様な夢の地として現在は扱われますが、同時に飽く迄も理想であり実現困難であるのも事実です。因みに、平和や安全な国造りが”王道”であるのに対し、反対となる暴力や権力で人々を抑えるのが”覇道”となります。実際の使い方は、「王道楽土が実現した」「王道楽土を目指す」「王道楽土を唱える」といった形になります。

王道楽土の由来・出典

「王道楽土」の由来は正確には分かっていませんが、”王道”は古代中国の孔子を開祖とする戦国時代の孟子などによる学派で儒家の政治思想です。そんな政治的な集団による人々が安心安全で暮らせる理想的な地”楽土”を目指したものとなります。

王道楽土の類義語・同義語

「王道楽土」の類義語には、「王道政治」「国土成就」などが挙げられます。

王道楽土の使い方・例文

例文1.無所属の新鋭議員は非常に真面目で、真剣に王道楽土を目指す様な姿勢に共感を覚える人が増えている期待の注目株だ。
例文2.日本も中国も、王道楽土を実現させるのは不可能なぐらいに政治腐敗が進んでしまって取り返しがつかない状況だ。
例文3.ウイルスが蔓延する危険な世界だが、せめて生まれて新しい命には王道楽土な場所を残すよう人々は努力するべきではないのか。
例文4.新総理が王道楽土に国民を導くような発言をしたが、実際に連れていくのは派閥メンバーと内閣の閣僚ぐらいだろう。
例文5.仕事が終わり我が家でビールを一杯飲むと、やっと緊張が解れて、この狭いマイホームこそ私が唯一安心できる王道楽土な地なんだと実感する。
政治やウイルスなどに皮肉交じりで「王道楽土」を使った例文です。

王道楽土の会話例

男性
コロナで政治が混乱して、振り回されているなー。
女性
担当大臣よりも、それぞれの知事の方が発言力があり言葉に重みがあるんだもんね。
男性
地方と国でコロナの扱いが真逆は言い過ぎでも、かなり違うから、それは若い世代は自粛なんてしないよね。
女性
でも、政治家って本来は国民を王道楽土に導くリーダーなのに、実現できそうな人が一人もいないのは頭が痛いなー!

男女2人がコロナ渦の政治有り方について批判めいた会話をしています。

王道楽土の豆知識

「王道楽土」は日中戦争や満州事変とも関連深い言葉です。1931年に日本の関東軍が中国の奉天市(かつて満州国に存在した都市)で南満州鉄道を爆破した満州事変を起こし、その後中国に戦争を仕掛けて満州国を奪取し建国に成功します。翌1932年、満州国建国の際の理念が「王道楽土」なので、当時の中国人からすると人の地を奪って、楽園めいた言葉を掲げるのは屈辱だったようです。

王道楽土の難易度

「王道楽土」は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、”道”と”楽”は9級、”王”と”土”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

王道楽土のまとめ

「王道楽土」は、古代中国の儒教に基づく考えや思想で、正しい政治によって国を治める平和で安楽な土地や国の事です。武力による恐怖ではなく仁徳による統治なので、人々は平和で快適に暮らせるというものです。よって、現代は理想郷や楽園の様な扱われ方がされますが、同時に実現させるのは難しい喩えともなる言葉です。

人類の理想は王道楽土。
最新情報をチェックしよう!