【三位一体(さんみいったい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

三位一体(さんみいったい)

通常の「三位一体」だけでなく、三位一体論・三位一体改革・三位一体型援助など様々な言葉にまで波及し使われているのを知っていますか? また、由来となるのは実はキリスト教という背景があります。この様に広く浸透し、日常で何気なく使われる「三位一体」もまだまだ知らない事が多いのです。それでは詳しい解説となります。

三位一体の意味

「三位一体」の意味は以下の通りです。
・キリスト教用語で、父(神)と子(キリスト)と霊(精霊)の三つが一体であるとする教え。
・異なる三者も本質的には同一。三者が心を合わせる。三つの物が一つの物の三つの側面。
・三者や三人が団結・協力・意思疎通するなど。
簡単なようで深掘りするとどこまでも解釈可能な言葉が「三位一体」です。要約するなら、元はキリスト教用語で(そのキリスト用語も宗派などの違いで如何様な意味合いになります)、そこから三者の本質は同じとする教えや喩えになります。また、三つの物が一つ、三者が心を合わせるともなります。日常では、三人が集まり議論をしたり意見の一致や不一致を「三位一体」で喩える例が最も多いと思います。その一方、由来はキリスト教であり神やキリストなので、一致団結や信頼や協力ができる前提で成り立っているとも解釈できます。要は、元から親しい間柄なので「三位一体」になれるというものです。まったく無関係な者同士なら「三位一体」には中々なれないものです。ある程度の関係が成立している三者なら、一致協力できるとする所ではないでしょうか。”三位”は「キリスト教の父と子と霊」、”一体”は「一つの体」「一つにまとまる」という意味になります。

三位一体の由来・出典

「三位一体」の由来は、キリスト教の聖書とされています。キリスト教は1世紀初めに誕生し、母体はユダヤ教となります。文献としては、自由民権運動に影響を与えた思想家・J.S.ミルの著書「On Liberty」を翻訳した「自由之理」(1872年)などに文言が残されています。

三位一体の類義語・同義語

「三位一体」の類義語には、「渾然一体」「一心同体」などが挙げられます。

三位一体の使い方・例文

例文1.GDPで他国を引き離す日米中が、本当の意味で三位一体となって信頼関係を築くのはいつになる事か。
例文2.三位一体の行政改革とは使い古された言葉で、今ではどの政治家が発しても現実味が感じられない。
例文3.学生時代はライバルだった三人がまさか同じ会社に就職して、三位一体となって切磋琢磨して良い関係になるとは人生は分からないものだ。
例文4.父親が三人兄弟の息子に対し、三位一体となる重要性を説いた。
例文5.政官民の三位一体が実現すれば望ましいが、政というよりも内閣だけが権力を握る構造に様変わりした。
三位一体となって目標を達成したら気持ち良いでしょうね。

三位一体の会話例

男性
Bさん、Cさん、今度の旅行はどこにいく?
女性
私は沖縄がいいなー。でもCさんは福岡に行きたいって。Aくんはどこがいいの?
男性
僕は皆に合わせるけど、四国も行きたいかな。
女性
全員がバラバラだね。仲が良いのに三位一体には程遠いね、これでは。

簡単には三位一体とはならないようです。

三位一体の豆知識

「三位一体」は本来は深い意味が隠されていますが、それ故に軽く使われるケースも多いと個人的には思います。背景には、似たような四字熟語に「三人文殊」や「三日天下」「三日坊主」などがあり、これらも比較的に軽く使用されるので同じ様な扱いになっていると推測できます。

三位一体の難易度

「三位一体」は漢字検定7級から10級相当で、小学校中学年から低学年レベルの容易な四字熟語となります。

三位一体のまとめ

「三位一体」はキリスト教を発祥とする四字熟語で、三位を父(神)と子(キリスト)と霊(精霊)とするように、とても重みがあるものです。そこから三者が心を合わせる、三者の本質は同じという意味があり、現在は三人や三者による協力や団結の喩えとして用いられます。また、政府や官僚と民間の働きを「三位一体」と表現するのもよくあります。

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