渾然一体(こんぜんいったい)
私たちはそれぞれ異なった特性を持つ生き物で、一人として全く同じ人間などは存在しません。近年では「多様性」を尊重しようという動きが大きくなってきていおり、少数派=弱者というイメージも徐々に無くなってきてはいます。このように私たちは、互いに違いを持つ人間でありながらも、同じ世界で共存していかなければいけません。そして、ある組織や社会に属する場合は、より近い関係で他者と関わっていく必要があります。そんなときに覚えておいて欲しい言葉が「渾然一体」です。今回はこの言葉について詳しく解説していきたいと思います。
渾然一体の意味
「渾然一体」とは全く異なるもの同士が互いに溶け合い、区別がつかなくなることを意味します。
渾然一体の由来・出典
出典は『淮南子』になります。
「渾然」とは、別のもの同士が上手く溶け合っている様を表し、「一体」は、一つの体のようにまとまっていることを表します。
渾然一体の類義語・同義語
「渾然一体」の類語には、「一心同体」や「不離一体」などが挙げられます。
渾然一体の使い方・例文
例文1.組織内の全員が渾然一体となり目標達成を目指す。
例文2.そのチームは渾然一体で絶妙な掛け合いが特徴だ。
例文3.我が家では家族全員が渾然一体となるために定期的に家族会議を開く。
例文4.B社では個人の特性を尊重し、渾然一体を過度には重視していない。
例文5.彼のチームは渾然一体とは程遠いが、各個人の能力は非常に高い。
渾然一体となって取り組むことは組織やチームにとって、成果を最大化させる為には必要なことですね。
渾然一体の会話例
サッカーブラジル代表の渾然一体となった鮮やかな試合をみての感想となっています。
渾然一体の豆知識
「渾然一体」の「渾」は「混」と書いても大丈夫なようで、「混然一体」という表記も多くなっています。
渾然一体の難易度
「渾然一体」は漢字検定二級以上の比較的難しい四字熟語です。
渾然一体のまとめ
今回は、異なるもの同士が互いに溶け合い、上手く混ざっている様子を表す「渾然一体」という四字熟語について解説しました。多様性を尊重する世の中の流れも非常に重要ですが、やはり社会で生きていくためには、少し気を使って遠慮してでも他者と上手く混ざり合うことは重要なことではないでしょうか。ただ、普段は他人と上手くやりつつも、いざという時には一つ飛び抜ける勇気も必要ですね。