【歯亡舌存(しぼうぜっそん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

歯亡舌存(しぼうぜっそん)

「歯亡舌存」とは「硬い歯は実は折れやすく柔らかい舌は存続し続ける事から、強いものは滅びやすく柔軟なものは生き残る喩え」です。これはスポーツ選手を見ても単純に筋骨隆々というよりは、柔軟さや俊敏性が求められたりしますよね。もちろん競技にもよるでしょうが、柔らかい方が怪我がし難いのは事実なようです。そんな事からも柔軟さが最も大事とする「歯亡舌存」の解説となります。

歯亡舌存の意味

「歯亡舌存」の意味は以下の通りです。
 ・柔軟なものは強くて硬いものよりも長く存続する。
 ・歯はいずれ抜けてしまうが舌は残り続ける事から、剛強なものほど滅びやすく柔軟なものは残る喩え。
 ・諺「歯亡び舌存す」(はほろびしたそんす)も同義。
”歯亡”は「歯が抜け落ちる」、”舌存”は「舌が残る」で、年月が経過するといずれ歯は抜け落ちるが舌は残っているのが「歯亡舌存」です。歯というのは頑丈で強く、舌はしなやかで柔軟な事から、柔らかい方が硬いものより長く存続すると説いています。要するに、硬く強そうなものほど実は呆気ないほど脆く弱いもので、弱そうなものは結果的には強く最後まで残るという事です。

歯亡舌存の由来・出典

「歯亡舌存」の由来は中国前漢時代の政治家・劉向の説話集「説苑」になります。

歯亡舌存の類義語・同義語

「歯亡舌存」の類義語には、「柔能制剛」「高木風に折らる」「柳に雪折れなし」などが挙げられます。

歯亡舌存の使い方・例文

例文1.頑固だが非常に優秀だった兄が大学を中退し、要領は良いが成績の悪かった俺の方が医者として成功をするのだから、人生とは歯亡舌存で実に不思議なものだ。
例文2.結局は弱さを武器に出来る者は歯亡舌存となって勝ち残れることが多くなる。
例文3.巨大で獰猛な恐竜が絶滅し小さなゴキブリや虫が生き残っている事を鑑みても、歯亡舌存と納得できるのではないのか?
例文4.大木は腐ったり強風で被害に遭うが、しなやかな竹の木は成長スピードが早く歯亡舌存を体現する存在だ。
例文5.老いていくだけの大人はどんどん体が硬くなり、子供や小さい子ほど柔らかいのはまるで歯亡舌存が正しいと証明しているかのようだ。
「歯亡舌存」を使った例文となります。

歯亡舌存の会話例

男性
台風がまた近付いてきているらしいよ。
女性
そんな悠長な事を言っていないで、うちもそろそろ窓ガラスの補強をした方がいいんじゃない?
男性
大丈夫だって。歯亡舌存って言うだろ。うちみたいな古い家の方が実は丈夫で台風に強いんだよ。
女性
バカな事を言わないで、いいから早くガムテで補強をしてよ。

台風が接近している地域に住む夫婦の会話です。

歯亡舌存の豆知識

「歯亡舌存」から”歯”に関する四字熟語は、鱗や櫛の歯のように順番に並ぶ「鱗次櫛比」、美しい目元と白く美しい歯並びから美女の喩え「明眸皓歯」、歯ぎしりをして自分の手首を噛むほど悔しく怒る「切歯扼腕」などがあります。

歯亡舌存の難易度

「歯亡舌存」は漢字検定5級から8級相当の文字組み合わせで、”亡”と”舌”と”存”は5級で小学校高学年レベル、”歯”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

歯亡舌存のまとめ

「歯亡舌存」は硬いとされる歯は抜け落ち対する柔らかい舌は残る事から、柔らかいものほど硬いものよりも長く存続するという教えです。これは弱いものの方が実は丈夫で強いとも解釈が可能です。

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