【阿諛迎合(あゆげいごう)】の意味と例文と使い方

阿諛迎合(あゆげいごう)

出世が早いサラリーマンなどは、陰で「阿諛迎合」と呼ばれていないか気を揉んだりしたものです。現在はかつてほどその様な言いぐさはないでしょうが、大企業以外の中小企業などはまだまだそんな風潮が残っているものです。さて、上司など上の者に媚びるのが「阿諛迎合」となりますが、正確にはどの様な意味合いがあるのか調べてみました。

阿諛迎合の意味

「阿諛迎合」の意味は以下の通りです。
・相手に気に入られようと、媚びてへつらう。
・自らの信念よりも媚びる事で相手に気に入られようとする。また、人の言いなりになる事。
・媚びて機嫌を取る。相手の調子に合わせる。太鼓持ち。ご機嫌取り。
・「阿附迎合」も同義となる。
”阿諛”は「顔色を見て相手が気に入る様に振る舞う」「おべっかを使う」「へつらい」、”迎合”は「自分の考えを曲げて相手の調子に合わせる」「世間や相手の風潮に合わせる」となるので、上記の様な意味合いとなります。「阿諛迎合」と大変よく似ているのが「阿附迎合」(あふげいごう)で、”阿附”は「へつらい従う」「おもねる」となり、微妙なニュアンスは異なりますがほぼ同義と捉えて問題がありません。強いて挙げるなら「阿諛迎合」は相手の顔色から、状況に応じてその都度媚びる様を柔軟に変化させている気もしますが、飽く迄も主観であり同義とするべきでしょう。

阿諛迎合の由来・出典

「阿諛迎合」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”阿諛”は臨済宗の僧・義堂周信による南北朝時代の漢詩文集「空華集」(1359年頃)、”迎合”は明治時代の評論家・小説家の内田魯庵による「緑蔭茗話」(1890年)などに文言が残されています。

阿諛迎合の類義語・同義語

「阿諛迎合」の類義語には、「阿附迎合」「阿諛便佞」「阿諛曲従」などが挙げられます。

阿諛迎合の使い方・例文

例文1.サラリーマンで生きていくなら、少しぐらいは阿諛迎合をしろと、社会人の先輩である兄が、仕事が行き詰った俺に助言をしてきた。
例文2.転職してきた〇○さんは、さっそく阿諛迎合な実力を発揮して、早くも上司から女性陣の心を鷲掴みにする事に成功した。
例文3.エリート官僚が政権や内閣の為に阿諛迎合をすればするほど、国民の反感を招く結果が待っている事を彼らは知らない。
例文4.家では不愛想で亭主関白だが、街中でペコペコ頭を下げ媚びる姿を偶然娘に見られ、阿諛迎合すぎるとショックを受けたようだ。
例文5.仕事の実力はないが、阿諛迎合な能力だけで同期で一番早く出世して、最近は少々荷が重くなった。
様々な媚びる姿を「阿諛迎合」とした例文です。

阿諛迎合の会話例

男性
美味い。仕事終わりの一杯は最高だねー。
女性
お疲れさまです。でも、そんなに仕事していないじゃないですか?
男性
何言っているの! 俺には何人も上司がいるでしょう。毎日毎日、彼らに阿諛迎合をしてそれだけでグッタリだよ。
女性
その辺は同じ職場でも、男と女の違いなんでしょう。私は上司でも、そこまで阿諛迎合しないからそんなに疲れるとは思わないです。

同僚男女が週末にお酒を飲んで疲れを癒しています。男性は上司に気を遣い疲れたと愚痴を吐きますが、女性にはあまり理解されません。

阿諛迎合の豆知識

「阿諛迎合」は媚びる・機嫌を取るという意味です。一方、これらの反対は尊大・見下す・高ぶるとなり、その様な四字熟語は「尊大不遜」「傲岸不遜」「傍若無人」などです。そして対義語となるのは「温厚篤実」「平身低頭」等となりますが、これらの関係性を鑑みると「阿諛迎合」など媚びを売るのも、そんなに悪い意味ではないのではと、個人的には思ってしまいます。

阿諛迎合の難易度

「阿諛迎合」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”諛”と”阿”はそれぞれ1級と準1級で大学一般レベル、残り二文字は中学校と小学校で習う四字熟語となります。

阿諛迎合のまとめ

「阿諛迎合」は、相手に気に入られる為に媚びへつらうという意味の四字熟語です。人の言いなりになる事でもあり、要はサラリーマンなどの処世術とも受け止められます。立場の低い者がおべっか、調子を合わせるなどをして、何とか権力者に気に入られようとしています。

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