【平身低頭(へいしんていとう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

平身低頭(へいしんていとう)

「平身低頭」とは「恐縮してひたすら謝る事」です。何かしらの事情により、とにかく平謝りするしかないという状況を的確に表現していますよね。この言葉だけで「もう許してあげなよ」「そんなに謝って見っともない」など、様々な感情が芽生えてしまいます。特に体の大きな男性が「平身低頭」になっていると、不謹慎ながらどこか可笑しい感もあります。そんな「平身低頭」についての解説となります。

平身低頭の意味

「平身低頭」の意味は以下の通りです。
・恐縮してひたすら謝罪する。
・相手にひれ伏し頭を下げて恐れ入り、また詫びる事。
・物事を頼んだ時に身を低くして頭を下げる事。
・逆さにした「低頭平身」も同義。
”平身”は「身を屈める」「平伏する」、”低頭”は「頭を低くする」「頭を垂れる」「項垂れる」となり、要するに謝罪の一つですが、その中でも本当に相手へ全面的に降伏するのが「平身低頭」です。言葉悪い表現なら、ペコペコと詫びを入れる謝罪で、そこには単に頭を下げた謝罪ではなく、誠心誠意を尽くした謝罪と理解できます。まるで地べたに額を擦り付ける様な、又は、恐れから緊張して冷や汗や言葉が上手く伝わらないとも感じられる程です。それぐらいの平謝り状態で、心から過ちを詫びて何とか許して貰えるように懇願しています。そんな「平身低頭」の反対は威張り散らし傲慢なので、「倣岸不遜」「傲岸無礼」「傲慢無礼」などになります。実際に使う場合は、「平身低頭で謝罪する」「平身低頭で詫びる」「平身低頭の姿勢」といった形になります。

平身低頭の由来・出典

「平身低頭」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、近代日本を代表する著述家・教育者の福沢諭吉の著書「西洋事情」(1866年~70年)などに文言が記されています。

平身低頭の類義語・同義語

「平身低頭」の類義語には、「三跪九叩」「三拝九拝」「奴顔婢膝」などが挙げられます。

平身低頭の使い方・例文

例文1.家庭で立場が弱い亭主なので、娘のお菓子を食べただけで平身低頭に謝る姿がどうにも情けない。
例文2.妻に小遣いアップを要求する為、平身低頭になってお願いしたが、検討すらせずに却下された。
例文3.平身低頭な姿の父を内心でバカにしていたが、それから十年以上が経過して時代がさらに不景気になり、因果応報なのか今では職場で年下上司にこき使われる毎日だ。
例文4.傲岸不遜な政治家にも頭にくるが、平身低頭な政治家もそれはそれで何か悪巧みがありそうで不気味だ。
例文5.愛猫が隣近所の庭を荒らしたので、平身低頭で皆さんに謝罪をして回った。
職場や家庭生活などで「平身低頭」を使った例文です。

平身低頭の会話例

男性
ごめん。もうしないよ。
女性
そういって、これで何度目の浮気なの? もう我慢できない!
男性
ほら、この通り平身低頭になって謝罪するから許してよ。
女性
そういって私が許したら、また他の女と遊ぶんでしょう。

浮気発覚した夫が妻に平謝りしている様子です。

平身低頭の豆知識

「平身低頭」は謝罪という意味なので同じような四字熟語は、降伏して服従する「肉袒牽羊」、心から謝罪する「肉袒負荊」や「廉頗負荊」、無遠慮な批評を詫びる「妄評多罪」、手紙などの乱暴な言葉を詫びる「暴言多罪」、いい加減な言葉を詫びる「妄言多謝」などがあります。

平身低頭の難易度

「平身低頭」は漢字検定7級から9級相当の文字組み合わせで、”低”は7級、”平”と”身”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”頭”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

平身低頭のまとめ

「平身低頭」は、恐縮して謝罪をして平伏すように頭を下げる事です。最上級の謝罪とも受け取れ、とにかくひたすら詫びている様と理解できます。大事なお客さんに失礼な事をした時のお店側の対応とすれば、その光景が思い浮かぶでしょう。そこから、相手が許してくれるまで顔を上げられない感じがヒシヒシと伝わる四字熟語です。

営業職では平身低頭は自然と身に着く。
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