【意在言外(いざいげんがい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

意在言外(いざいげんがい)

「意在言外」とは「こちらの考えを曖昧にして、相手に推察や推量させる事」です。要するに言葉でハッキリと「イエス」「ノー」を伝えず、態度や表情に曖昧な言動から相手に真意を汲み取ってもらうのです。その結果、こちらの思いと相手の思いが違う場合もありますが、それでも最終的には良い塩梅となる事も多くある意味でとても日本人らしいともなります。

意在言外の意味

「意在言外」の意味は以下の通りです。
 ・自分の考えを意図的に曖昧にして相手に推察させる。
 ・はっきりと言葉にしないで、相手に汲み取らせるように働きかける事。
 ・詩文の字間や行間に自分の考えを込める事。
”意在”は「狙いや目的が別にある」、”言外”は「直接は言葉に出さない」「言葉に出さない部分」で、自分の考えなどを言葉にしないで相手に推察させるのが「意在言外」です。要するに、相手に汲んでもらう目的から敢えて曖昧にする事で、阿吽の呼吸や微妙な気持ちを察するに近いものがあります。例えば、政治家など権力者が悪巧みを働く際にハッキリ申すと後々で問題になるので、含みを持たせるようにして、最後は相手に判断させるのです。ですから少々ズルいやり方ですが、夫婦など長年連れ添った関係などは口にしなくても互いの考えが分かるので、「意在言外」が日頃から行われているとなります。

意在言外の由来・出典

「意在言外」の由来は残念ながら不明です。文献としては”言外”は近代日本の小説家・坪内逍遙の著書「小説神髄」(1885~86年)などに文言が記されています。”意在”が記載された文献はまだ発見されていません。

意在言外の類義語・同義語

「意在言外」の類義語には、「意味深長」「微言大義」などが挙げられます。

意在言外の使い方・例文

例文1.含みを持たせる発言が目立つ課長だが、こちらがミスをした時はフォローをしてくれるので部下としては意在言外でも不満に思う事はない。
例文2.どこかの国のトップは「検討する」ばかりで全く何もする気がなく、これなら意在言外な物言いでも少しぐらい期待を持たせてくれる方がまだマシだ。
例文3.優柔不断な人は意在言外となりがちだが、こういうタイプに限って酒を飲んだりギャンブルをすると性格がガラッと凶暴に変化するので危険で仕方がない。
例文4.役所の窓口を担当する者は、まるで意在言外に徹するよう上司から指導されたかのように言葉を濁したりはぐらかしてばかりで心底呆れてしまう。
例文5.NHKのアナウンサーは毎日様々な事件や事故に社会問題を報道するが、一番の問題である受信料徴収や職員の高額給与&不祥事は笑顔でスルーするのだから、その意在言外にすらしない態度は誰よりも尊く立派な倫理観を持たれていると感心する。
「意在言外」を使った例文となります。

意在言外の会話例

男性
俺ってそんなに何を考えているか分からないように見える? 職場の後輩に言われたんだよ。
女性
んー、自分の考えをハッキリ言わないから、そう思う人もいるかもね…。でもいいんじゃない、波風を立てない性格なんだから。
男性
でも、上司にもその性格が災いして出世ができない…、みたいな事を前に言われたんだよね。
女性
それでも直さないんでしょう? あなたは意在言外でしか人とコミュニケーションを取れないのよ…、私ともね。

曖昧で自らの考えを述べない性格の夫とその妻の会話です。

意在言外の豆知識

「意在言外」から”曖昧”に関する四字熟語は、はっきりせずぼんやりしている「曖昧模糊」、はっきりせずいい加減な「有耶無耶」、曖昧でぐずぐずしていて決断ができない「首鼠両端」や「右顧左眄」などがあります。

意在言外の難易度

「意在言外」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”在”は6級で小学校高学年レベル、”意”は8級で小学校中学年レベル、”言”と”外”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

意在言外のまとめ

「意在言外」は言動や態度を曖昧にして意図を相手に汲み取らせようとする事です。相手が最終決定するように仕向け、こちらは責任などを取りたくない場合の常套手段でもあります。ですからそんな態度にイライラする相手も多く、もしかしたら知らずに敵を作るタイプともなります。しかし、恋愛関係の初期段階などは相手に推察をさせるのが逆に効果的なので、時と場合によっては「意在言外」の方が良い人間関係を築く場合も当然ながらあります。

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