片言隻語(へんげんせきご)
「片言隻語」とは「少しの言葉や僅かな言葉」です。漫才のツッコミは最低限の言葉で的確に常識を指摘すると笑いになるので、「片言隻語」を巧みに利用している事になります。また、大抵の場合で必要過多にあれこれと補足するように言葉は多くなりますが、そんな事などお構いなしで言葉を少なくしています。
片言隻語の意味
「片言隻語」の意味は以下の通りです。
・ほんのちょっとした言葉。
・短い言葉。僅かな言葉。
・「片言」も同義。
”片言”は「少しの言葉」「言葉の切れ端」「一言」、”隻語”は「ちょっとした言葉」「短い言葉」で、少しや短い言葉という意味を繰り返してより強調したのが「片言隻語」です。よって、本当に短い言葉となり、例えば短くても核心を突いてズバッとした表現に対して、良い意味でも悪い意味としても使用されたりします。口数が少ない人や有名な名言などで、「彼は大人しい性格で片言隻語しか口にしない」「偉人の格言は片言隻語な方が心に残る」といった使い方がされます。
片言隻語の由来・出典
「片言隻語」の由来は一説によると、中国前漢時代の孔子の言葉をまとめた経書「論語」の「顔淵」とされますが定かではありません。文献としては言語学者・金田一京助の著書「北の人」(1952年)などに文言が記されています。
片言隻語の類義語・同義語
「片言隻語」の類義語には、「片言隻字」「片言隻句」「一言半句」などが挙げられます。
片言隻語の使い方・例文
例文1.子供の頃の苦い記憶が大人になった今でも払拭できないので、どうしても会話は片言隻語となってしまい長続きは困難である。
例文2.片言隻語を繋ぎ合わせれば長い言葉となるので、焦らずに自分の性格に向き合っていく。
例文3.政治家というのは己の言葉を民衆に訴えるものなのに、やっと出た言葉が憂慮・静観・注視といった片言隻語を繰り返すだけでは話にならない。
例文4.若い時はベラベラ無駄話を繰り返してきたが、大人になると脇役だと思い知らされて会話をするのが億劫になって片言隻語しか口にしないようになってしまう。
例文5.犬や猫などは片言隻語でも幸せなのだから、人間もこれからは余計な会話をしたら罰金を取るようにすれば温暖化対策として地球環境にももしかしたら何かしら良いかも知れない。
「片言隻語」を使った例文となります。
片言隻語の会話例
入院している高齢の父親は息子とは会話をせず、看護師や嫁とは普通に話すという内容です。
片言隻語の豆知識
「片言隻語」から”言葉”に関する四字熟語は、一つの言葉と一つの行為「一言一行」、言葉や態度が丁寧過ぎて嫌味や失礼となる「慇懃無礼」、言葉や態度が優しく長上の人には逆らわない「婉娩聴従」などがあります。
片言隻語の難易度
「片言隻語」は漢字検定3級から9級相当の文字組み合わせで、”隻”は3級で中学卒業レベル、”片”は5級で小学校高学年レベル、”言”と”語”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
片言隻語のまとめ
「片言隻語」は少しばかりの言葉や僅かな言葉の事です。言葉や会話というのは理解してもらう為に自然とある程度は長くなってしまいますが、それを逆行するかのように必要最低限だけに留めるのが「片言隻語」となります。