【士農工商(しのうこうしょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

士農工商(しのうこうしょう)

「士農工商」とは「一昔前まで小学校6年の社会で教えられてきた江戸時代の身分制度」です。昭和から平成や令和のように時代が変わるとこれまでの常識も変化するので、現在の30代ぐらいまでは社会の授業で普通に教えられてきた「士農工商」も、今の子供達は習いません。と言うのは、「士農工商」そのものが江戸時代にはなかったとする歴史研究家などの意見が採用されたからで、それによって江戸時代は少なくても大名や武士や宗教家は別にしても、それ以外の職業においては平等な社会であったとされています。

士農工商の意味

「士農工商」の意味は以下の通りです。
 ・江戸時代の身分制度で「四民」とも呼ばれる武士・農民・職人・商人の職業で社会的身分などを定めた儒教的階級概念で、最上位の武士は支配階級に属してそれ以外は被支配階級となるが商人を最下位とする。
 ・かつては江戸時代に存在した階級制度で、現在は武士だけが支配階級でそれ以外の職業は平等で序列関係は存在しなかったと学校教育では教えている。
”士”は「武士」、”農”は「農民」、”工”は「職人」「工人」、”商”は「商人」で、それぞれの文字を合わせて江戸時代の身分制度「士農工商」となります。「士農工商」は昔と現在では学校現場での教え方が変化し、恐らくは両親世代以前と今の子供達ではその意味や解釈を巡って大きな違いがあると思います。一昔前までは、江戸時代に存在した身分階級で武士・農民・職人・商人を職業で分別し、武士を最上位にして次に偉いのが農民、その次が職人、最後の最下位が商人とされ、さらにその下には部落問題とも関係する「穢多・非人」(えた・ひにん)が存在し、明確に階級が分かれていたとされてきました。当時は全人口の8割が農民とされ残りの多くが職人や商人となり、支配する幕府側の僅かな武士は極めて立場が偉い存在だったのです。ですから、武士という監視役によって厳しい階級制度で序列を決めていたとされてきましたが、現在は職業での階級分けがなかったとして「士農工商」を教科書にすら記載しなくなっています。要するに、武士は特別だがそれ以外の職業は全て平等であり、農民・職人・商人の間には上下関係がなかったと見解されたのです。これによって、江戸時代は「士農工商」という階級制度そのものが存在しなかったと現在は結論付け、かつて学校現場で教えてきたのは誤りであったと歴史研究などが進んだお陰で判明したのです。

士農工商の由来・出典

「士農工商」の由来は古代中国の思想家などの言葉をまとめた書物「管子」の「小匡」にある一文「士農工商四民、国の礎」とされます。これは「国中全ての人々」という意味の儒学的表現で、そこから江戸時代の身分制度になったとされてきましたが、現在は「士農工商」は日本ではなかったとされています。

士農工商の類義語・同義語

「士農工商」の類義語には、「庶民」「四民平等」「四民」などが挙げられます。

士農工商の使い方・例文

例文1.今では士農工商はなかったというのが常識だが、それでも年収や社会的立場による令和版カースト制度は色濃く残っている。
例文2.職業差別にも繋がる士農工商は現在の価値観では容認されないのは明らかだ。
例文3.職業格差とは士農工商的な思想が色濃く残っているから起こるのであって、まずは教育を正しく行うのが肝心である。
例文4.士農工商のようなあからさまな違いはなくてもホワイトカラーとブルーカラー、上級国民と庶民など探せばいくらでも出てくる。
例文5.実家が農家をしている友人は何かと士農工商を口にして自らを卑下するが、広大な土地持ちで何棟もアパート経営をし父親はレクサスを運転しているのに何が不満なのか理解に苦しむ。
「士農工商」を使った例文となります。

士農工商の会話例

男性
士農工商って実は無かったの知ってる?
女性
そう言えば、今は子供にそう教えているみたいね。
男性
だけど、また暫くしたら実は士農工商はありましたって言うんじゃない?
女性
公文書を改ざんしても平気な日本でもう何が真実で嘘なのか、誰にも分からないわよね。

「士農工商」は実在しなかったという現在の説について会話をしています。

士農工商の豆知識

「士農工商」から”武士”に関する四字熟語は、武士の精神と商人の抜け目ない才能を併せ持つ「士魂商才」、江戸時代に武士に科した刑罰「蟄居閉門」、武士が修行で全国を旅して回る「武者修行」などがあります。

士農工商の難易度

「士農工商」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”士”は6級で小学校高学年レベル、”農”と”商”は8級で小学校中学年レベル、”工”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

士農工商のまとめ

「士農工商」は現在は実在しなかったとされる江戸時代の身分制度です。武士を筆頭にして、農民と職人と商人の順位にした職業による階級分けで、長い間日本では当然のように学校現場で教えられ信じ込まれてきましたが、今では職業による序列はなかったとして教科書にすら掲載されていません。

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