有耶無耶(うやむや)
さて、「有耶無耶」は皆さんが絶対に一度は使ったことのある言葉ですが、何と読むかご存知でしょうか。「あやふや」だと思った方は残念、正解は「うやむや」です。よく使う言葉であっても、漢字をぱっと見せられると分からなくなってしまうことってよくありますよね。そこで、今回は「有耶無耶」という四字熟語について詳しく解説していくので、この機会に完璧に覚えていってくださいね。
有耶無耶の意味
「有耶無耶」は、「物事がはっきりせず曖昧であること」を表します。「あやふや」との使い分けとしては、「有耶無耶」は自らそうしますが、「あやふや」は望まずしてそうなるというイメージです。「悪事を有耶無耶にする」「お酒を飲みすぎて記憶があやふやになる」二つの分で「有耶無耶・あやふや」を入れ替えると、自然な文章ではなくなりますよね。音や意味は似ていますが、使い分けは比較的容易ですので、積極的に使っていきましょう。
有耶無耶の由来・出典
「有耶無耶の関」と呼ばれる、秋田県象潟町にある「三崎峠」には、かつて手足が非常に長い鬼が住んでいたそうです。その鬼の悪事を止めるために、鳥海山の神である大物忌神は、カラスを鬼が現れるであろう場所に這わせました。そして、鬼が現れた時には「有や」、現れなかったときには「無や」と鳴かせました。「有耶無耶」という言葉はそこから来ているという説が非常に有力です。
有耶無耶の類義語・同義語
「有耶無耶」の類義語には「あやふや」「不得要領」「曖昧模糊たる」「曖眛」などが挙げられます。
有耶無耶の使い方・例文
例文1.彼は自分のミスを有耶無耶にした。
例文2.彼女は自らの失態を有耶無耶にする傾向がある。
例文3.間違えた時は有耶無耶にせず、正直に言うべきだ。
例文4.不祥事を有耶無耶にした結果、彼は職を失わずにすんだ。
例文5.口論になるとすぐに事実を有耶無耶にしようとする彼にはうんざりだ。
政治家の方々は、物事を有耶無耶にする能力に非常に長けています。
有耶無耶の会話例
自分の能力も、仕事のミスも「有耶無耶」にしてしまうと誰も得をしないので、ハッキリと物事は伝えるべきですね。
有耶無耶の豆知識
はっきりしない様子を英語で表す際は、「vague」「obscure」などがあります。
有耶無耶の難易度
有耶無耶」は、馴染みの深い言葉ですが、読「み書きの面で言えば漢字検定二級以上のやや難しい四字熟語だと言えます。
有耶無耶のまとめ
今回は、「物事がはっきりしておらず、不明瞭である様子」を表す、「有耶無耶」という言葉について解説しました。日常生活でよく使う言葉であっても、意外と読み書きに苦戦する言葉は多いです。最近では何でもスマホやパソコンで済ませてしまうので、文字を書くという行為をあまりしなくなりましたが、タイピングがメインになっても、やはり言葉の意味はしっかり理解していなければ、質の高い文章はつくれません。今一度漢字を学び直すのも良いかもしれませんね。