【断簡零墨(だんかんれいぼく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

断簡零墨(だんかんれいぼく)

最近はスマホが必需品となっているので、手紙を書く機会は激減しましたよね。何しろ、実際に手紙を書くよりも手軽で便利で無料とくれば、利用しない手はないからです。しかし、情緒や風流といった文化がどんどん失われていくのも事実でしょう。スマホは便利ツールとして活用し、同時に手紙を書く文化も大事に残すべきが理想なのですが、上手くはいかないのが現実なのです。だからこそ、手紙の良さを再確認させてくれた「断簡零墨」についての解説となります。

断簡零墨の意味

「断簡零墨」の意味は以下の通りです。
・書き残しの紙、切れ切れになった手紙や文書の断片。
・文書の切れ端や書物の断片。書物や文書の切れ端。断片的な不完全な文書。
・「断簡零紙」も同義となる。
”断簡”は「文書の切れ端」「切れ切れの書き物」、”零墨”は「書き物の切れ端」「字を書いた際の零れ落ちた墨の後」となり、ほぼ同じ意味の言葉を繰り返して上記の様な意味合いとなります。手紙などの断片なので、普通なら単なるゴミのようにも感じますが、それが何百年も前の手紙なら貴重な物ですし、同じように有名人の書き残した物なら現在でもお宝アイテムとなります。ですから、「断簡零墨」はその様な価値ある物として扱うのが、必然的に多くなります。もちろん、単なる文章や手紙を破った断片などの喩えとしても使われています。

断簡零墨の由来・出典

「断簡零墨」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”断簡”は中国中唐時代の政治家・李紳「南梁行」、”零墨”は浮世草子の「新可笑記」(1688年)などの文言が記されています。

断簡零墨の類義語・同義語

「断簡零墨」の類義語には、「断編残簡」「断編零楮」「断編零墨」「残編断簡」などが挙げられます。

断簡零墨の使い方・例文

例文1.ロックスターの断簡零墨は海外では高額で落札され、特に初期の直筆歌詞は投資としても魅力的だ。
例文2.亡き父の断簡零墨を押し入れから発見した時は、思わず何時間も見入ってしまった。
例文3.現代の断簡零墨は、スマホやパソコンに残されたメールやLINEになるのだろう。
例文4.お宝マニアの店に行けば、著名な有名人の断簡零墨をいくつも発見できる。
例文5.捻くれ者の社会科教師は、黒板に大きく書いて詳しく説明したものより、まるで断簡零墨の様に小さく扱ったものをワザとテストに出してくる。
有名人のお宝アイテムから現代らしいスマホなどに「断簡零墨」を使った例文となります。

断簡零墨の会話例

男性
この前、実家に帰って荷物を整理していたら。
女性
うん。どうしたの?
男性
子供時代に書いていた日記やノートが出てきて、久しぶりに見返したら酷いね。とてもじゃないけど、有名人の断簡零墨とは月とスッポンだよ。
女性
それは仕方ないよ。我々は一般人だもん。でも、私は少し中身がどんな風だったか気になるなー。

男性が実家で見つけた幼少期の日記などについて女性と会話を繰り広げます。

断簡零墨の豆知識

「断簡零墨」の様な意味の四字熟語は珍しいですが、読書や書物に関するものは「一目十行」「韋編三絶」「眼光紙背」「青史汗簡」など実は多数あります。これは四字熟語の元でもある漢詩を書き残した偉人の多くは書物を読み漁る熱心な勉強家でもあるので、それが反映されての事だと推測できます。ですから、基本的には読書を奨励する様な意味を込められています。

断簡零墨の難易度

「断簡零墨」は漢字検定3級から6級相当の文字組み合わせで、”零”と”墨”は3級で中学卒業レベル、”簡”は5級、”断”で6級でそれぞれ小学校高学年レベルの四字熟語となります。

断簡零墨のまとめ

「断簡零墨」は、文書の切れ端や書き残しの手紙など、直筆文字で書いた文書などの断片といった意味になります。現代的にはあまり理解できない面もありますが、この当時は文書を書く機会も多かったので必然的にこの様な言葉も誕生したのでしょう。現代は、有名人や作家などが書き残したものをその貴重さから「断簡零墨」とする場合が多いです。

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