【一目十行(いちもくじゅうぎょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一目十行(いちもくじゅうぎょう)

頭が良い人や賢い人を称賛する際、ストレートに褒めるのもどうも違うとするなら、「一目十行」を使うのはどうでしょうか? この言葉を使う事で、こちらも少しばかりの賢さアピールが成功して、両者がwin-winの関係になれると思うですが…、そんなに上手くはいかないですね! では、意味を知ると思わず納得の「一目十行」の解説を始めさせて頂きます。

一目十行の意味

「一目十行」の意味は以下の通りです。
・一目で十行を読める。一目で十行も読み取れる読書力がある。
・書物の読解力が高いや優れている。書物を人より速く読める。
・読書力が高い事から、読書家や聡明や賢いという意味。
「一目十行」を文字通り取ると、”一目”は「少し見る」「一度だけ見る」、”十行”は「横方向(又は縦)に連続した文字並び10列分」となり、少し見ただけで十行を読めるという意味になります。そこから転じて、書物を読む能力が長けているとなり、賢いや優秀な人に対する喩えともなっています。現在は、そのまま素直に十行分読める能力として、又は喩えの様な賢い人を称賛する際に用いられる表現で、「聖人君子」などに近い四字熟語となっています。

一目十行の由来・出典

「一目十行」の由来は、中国南北朝時代の歴史書「梁書」の「簡文帝紀」に記された一文「読書十行倶に下る」です。

一目十行の類義語・同義語

「一目十行」の類義語には、「十行倶下」「眼光紙背」などが挙げられます。

一目十行の使い方・例文

例文1.数学が得意な友人は、実は国語がさらに得意で、その一目十行な秀才振りにはこちらを舌を巻くしかない。
例文2.子供の頃から推理小説が大好きだったので、その縁もあり出版業界で働けるようになり、一目十行な能力が少しは役だったと自負している。
例文3.一目十行な天才などは存在しないと思い込んでいたが、将棋の藤井七段を見てからはその考えを改め始めた。
例文4.一目十行どころか一目一行も難しいのが、悲しいかな大半の凡人の限界である。
例文5.漫画限定なら一目十行な力を俺だって持ち合わせていると、最近失業したばかりの兄が力強く物申した。
読む速さ、秀才や天才といった例えとなる例文パターンです。

一目十行の会話例

男性
あー疲れた。目が痛い。
女性
それだけ一気に何冊も読み上げたら、それは目が疲れますよ。
男性
俺にも実は一目十行な能力が眠っていて、その力を最大限に解放して挑戦したけど…、ダメだったね。まったく内容が入ってこない。
女性
一目十行が出来る天才なんて、極一握り。私や先輩はゆっくりマイペースに読むのが一番です。

速読の力が備わっていると一気に何冊も読んだ男性だが、疲れただけで中身もまったく頭に残っていなかった。そんな様に同僚の女性が助言しています。

一目十行の豆知識

「一目十行」は速読でありながら、優秀や賢いという意味もあるので、同様に優れた人となる四字熟語は「冠前絶後」「君子不器」「高材疾足」「聖人君子」「聡明叡知」などとなります。大昔の中国、ないしは日本は読書をするのは一部の教養高い人だけで、だから読書=賢いと繋げて、関連する四字熟語が多く作られました。教養ある人が読書によってさらに知識や情報を得て、自らを高めるのは現在と本質的には違いはありません。

一目十行の難易度

「一目十行」は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一目十行のまとめ

「一目十行」は、文字通り一目で十行を読める事から、速読に優れ読書力が高いという意味になり、そこから優秀な人や聡明な人に対する喩えともなります。実際には賢い人を形容する他の有名四字熟語を使う場合が多いので、読書や速読の能力高さを強調しつつ優秀さも称える際に使用するのが望ましい使用法ではないでしょうか。

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