【韋編三絶(いへんさんぜつ)】の意味と例文と使い方

韋編三絶(いへんさんぜつ)

読書好きなら常識かも知れませんが、大抵の方は意味を理解していない四字熟語が「韋編三絶」だと思います。四字熟語の中には文字から当てずっぽうで分かってしまう場合もありますが、「韋編三絶」ではそれが通用しないほどとても難解な言葉です。それでは、一体どのような意味や由来があるのか調べてみました。

韋編三絶の意味

「韋編三絶」の意味は以下の通りです。
・何度も繰り返し本を読む喩え。学問に熱心な喩え。
・書籍を熱心に何度も読み込む。繰り返し読む。
・熟読。穴が空くほど読む。本好き。愛読家。
本来は大きく二つの意味で、一つは何度も熱心に本を読む事で、もう一つは転じて学問にも熱心となります。当然喩えとしても使用されますが、現代では解釈を広げて熟読や愛読家という側面もあります。中国の有名な思想家・孔子が古代中国の易学の易書を何度も読んだあまり、本の紐(スピン)を何度も切ったのが由来とされています。”韋編”は「木札や竹札による中国の書物」、”三絶”は「三回断ち切る」となります。

韋編三絶の由来・出典

「韋編三絶」の由来は、中国前漢の歴史書「史記」の「孔子世家」となります。

韋編三絶の類義語・同義語

「韋編三絶」の類義語には、「読書三昧」「一読三嘆」「熟読玩味」などが挙げられます。

韋編三絶の使い方・例文

例文1.サスペンス大作の人気小説が発売されたので、寝る間も惜しむ韋編三絶な日々がこれから当分続きそうだ。
例文2.学生時代は図書館や古本屋ばかり出向く韋編三絶な生活を過ごしていたが、今になって思うと大変幸せだった。
例文3.マイホームを手にしたら、絶対に読書部屋を設けて休日は一日中韋編三絶で過ごすと決めている。
例文4.弟は読書や勉強三昧な韋編三絶を心の底から楽しみ、遂には難関大学に合格してしまった。
例文5.日頃は営業マンとしてお客や上司に媚びてばかりなので、ストレス発散はヤクザ・極道小説で韋編三絶して別人格になりきる事だ。
本好き、熟読を「韋編三絶」とした例文となります。

韋編三絶の会話例

男性
明日から有休を入れて四連休だけど、何の用事もないんだよね。どうしよう。
女性
いいなー、羨ましい!
男性
そう? 暇だし退屈だし、何なら出社しようか考えている程だよ。
女性
私なら、思いっきり本を読むな。こう見えても、韋編三絶なんですよ。四日間もあれば文庫本四冊は読めますよ。

本好きの同僚女性が、用事が何もない休日がある男性を羨ましいと述べる会話です。

韋編三絶の豆知識

「韋編三絶」など読書を肯定する四字熟語は、「閑窓読書」「咀嚼玩味」「晴耕雨読」「熟読三思」「一読三嘆」「一目十行」など多数あります。基本的には四字熟語の歴史を遡ると中国の漢詩に辿り着くので、有名な古典である歴史書「史記」なども、云わば書籍であり読書と密接な関係があります。ですから、読書を肯定する四字熟語が多いのは必然であり、反対に否定するものは少ないと推測できます。

韋編三絶の難易度

「韋編三絶」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”韋”は1級で大学一般レベル、残り三文字は小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。

韋編三絶のまとめ

「韋編三絶」は、何度も繰り返し本を読む、学問に熱心、熟読などの意味や喩えとなる四字熟語です。元々は本の紐が切れるほど何度も読み返したのが始まりとされ、それが転じて学問にも熱心が後付けされたようです。四字熟語では読書を勧めるものが多く、「韋編三絶」もその一つとなります。

韋編三絶する女性
最新情報をチェックしよう!