【我武者羅(がむしゃら)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

我武者羅(がむしゃら)

「我武者羅」というと、都内在住のラーメン好きなら店名を連想するのではないでしょうか? それ以外でも、「がむしゃら」も含めて居酒屋だと思う人が多いと思います。他には、仕事などを真剣にする様を表現する言葉とも思うでしょう。ですから、本来の乱暴・粗暴といった意味を知ると驚いてしまうようです。それぐらい時代変化で良い意味に変わりつつある「我武者羅」について、詳しく調べてみました。

我武者羅の意味

「我武者羅」の意味は以下の通りです。
・後先を考えずに強引に行動する。血気にはやって向こう見ずな状態。
・他の事は無視してひたすら突き詰める。自分の行動理念だけで強引に突き進む。
・「我武者」も同義となる。
”我武者”は「見境が無く乱暴」「向こう見ず」「物事をむちゃくちゃに行う」、”羅”は「当て字(意味はない)」となり、上記の様な意味合いとなります。元々は”我武者”という言葉で「我武者羅」とも同義扱いですが、より凶暴で破天荒な印象があります。一方「我武者羅」はもう少し理性がある様にも思えます。主観な部分も大きいですが、「我武者羅」は飲食店名やスポーツなどでの気合めいた言葉として、「ガッツ」「熱心」「根性」「努力」「一生懸命」「情熱」「全身全霊」などに近い意味合いとして使われています。ですから、サッカーなら過激なファールをする選手に使うのではなく、全力で相手を追い駆けるなど必死さが伝わる選手を好意的な表現として「我武者羅」や「我武者羅なプレー」と使われます。この様な形で「我武者羅に働く」「我武者羅な攻撃」「我武者羅に走る」といった使われ方になります。

我武者羅の由来・出典

「我武者羅」の由来は”我貪”(がむさぼり)とされ、その後は時代経過で「我武者」になり最終的には”羅”が付けられ「我武者羅」に変化したとされています。

我武者羅の類義語・同義語

「我武者羅」の類義語には、「遮二無二」「無二無三」「無我夢中」などが挙げられます。

我武者羅の使い方・例文

例文1.プロレスラーが試合中に我武者羅になって攻撃して相手を倒し、パフォーマンスをすると会場の観客が一気に盛り上がる。
例文2.入院している父は事あるごとに、「俺が若かった時は我武者羅に働き、その後は寝ないで遊び、翌日もまた懸命に働いた」と言うが、今はベッドで青白い顔をして生気が感じられない。
例文3.部屋で我武者羅に酒を飲んでいたら、そのまま倒れてしまい記憶を失ったが、一人暮らしなので誰も快方してくれず後から恐怖が襲った。
例文4.子供の頃は我武者羅な性格だったのに、大人になると周囲に染まりそつがなく凡庸な人に変わってしまう。
例文5.大統領選挙が不正と訴えるトランプは我武者羅になって策を講じているが、それを日本の支持者は必死に擁護し、普段は大人しい彼らはネット上では危険な思想に染まった愛国者の様に過激にバイデンを批判する。
「我武者羅」をプロレスやトランプ大統領などに使った例文となります。

我武者羅の会話例

男性
ただいまー! 今日も疲れたよ。
女性
あなた、おかえりなさい。
男性
馬車馬の様に我武者羅に働いたから、くたくただよ。
女性
でも、私もパートを終えてから、食事の準備をして大変なんですよ。少しは分かって下さい。

仕事から帰宅した夫が疲れたと繰り返すので、妻も反論するという会話です。

我武者羅の豆知識

「我武者羅」は乱暴や横暴など強引な様がある意味ですが、現代ではそんな凶暴さは影を潜めて夢中や躍起になっている感があります。「我武者羅に夢を追いかける」「我武者羅に走る」「我武者羅に仕事をする」などはポジティブな印象が強く、「我武者羅に犯罪をする」「我武者羅に殴る」などの使い方は非常に稀だからです。近年は特にその傾向が強く、その真剣さから飲食店やラーメン店が味付けやメニューに拘りがあるとして、店名に付けるケースが多くなっています。

我武者羅の難易度

「我武者羅」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”羅”は準2級で高校レベル、”我”は5級、”武”は6級でそれぞれ小学校高学年レベル、”者”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

我武者羅のまとめ

「我武者羅」は後先を考えず強引に行動する、血気盛んで向こう見ずといった意味の言葉です。周囲を気にしない破天荒や乱暴的な感がある言葉ですが、近年はスポーツや仕事に真剣に取り組む姿勢に対して使われる事も多く、それが影響を与えたのか飲食店名などでも好んで使われる様に変化し、そこにはかつての粗暴さなどの印象は拭われつつあります。

我武者羅に戦う男
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