西施之顰(せいしのひそみ)
「西施之顰」とは「物事の本質を捉えずにただ人の真似をすることのたとえ」を意味する四字熟語です。スポーツを始めるときなどはまず好きな選手の真似をするところから始まりますが、その選手がなぜそのような動作を行なっているかを理解していかなければ思いもよらない怪我をしたりします。そんな「西施之顰」を解説します。
西施之顰の意味
西施之顰の意味は以下の通りです。
・本質を捉えずにうわべだけむやみに人のまねをすること。
・人にならって何かする場合に謙遜した言い方。
春秋時代の越(えつ)の国で西施(せいし)という美人が病気で顔をしかめたところを見た決して綺麗とは言えないある女性がその姿を美しいと感じて真似をしました。すると、それを見た周りの村の住人が屋敷から出て来なくなり、あるひとは引っ越してしまいまったという故事から誕生した四字熟語です。「顰」は今の言葉で表すと眉間にしわを寄せることを意味しています。
このような故事からただ真似をするのではなく本質を捉える必要があるといった現代の意味となりました。また、自分の上司などの自分より偉い人の前をすることを謙遜する目的で使います。
西施之顰の由来・出典
「西施之顰」の出典は、中国古代の思想家、荘子が書いた著書「荘子」の天運に書かれている故事からです。
西施之顰の類義語・同義語
「西施之顰」の類義語には、「顰に倣う」「真似る」「模倣する」といった言葉が挙げられます。
西施之顰の使い方・例文
例文1.西施之顰ではないが、上司の真似をするだけではなく何故そのような行動をしたのかを考える必要がある。
例文2.師匠の技を西施之顰に倣って行う。
例文3.単純な仕事で簡単そうに見えるが西施之顰で行なってみるととても難しいことが理解できた。
例文4.西施之顰を教訓に本質を捉えて実施してみる。
例文5.自分にはできそうにないことではあるが西施之顰に倣って少しでも挑戦をしよう。
「西施之顰」を使った例文となります。
西施之顰の会話例
野球を始めてみたい二人組の会話です。
西施之顰の豆知識
西施は中国古代四大美女の一人に数えられます。また、「西施之顰」の元となった故事についてですが、実際には美人の西施が顔をしかめたところも町の住人にはあまり評判はよくなかったそうです。
西施之顰の難易度
「西施之顰」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”西”は9級で小学2年生レベル、”施”は3級で中学校卒業レベル、”之”は準1級で大学・一般レベル、”顰”は1級で大学・一般レベル、の四字熟語となります。
西施之顰のまとめ
解釈によってはただ真似をすると言った意味合いから相手をリスペクトする意味合いも持つようなポジティブにもネガティブにも捉えられる四字熟語です。気を付けて使いましょう。