【先従隗始(せんじゅうかいし)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

先従隗始(せんじゅうかいし)

「先従隗始」とは「大きな物事も手近な事から始める。それと、最初に物事を言い出した者が始めるという二つの喩え」です。この言葉に大勢の人が共感できるのは、「口を出したのなら実行せよ」「小さな事から少しずつ頑張る」という考えを代弁しているからです。口先だけで何もしない人にはムッとしますし、計画を実現するには出来る事から始めるべきだと思えますよね。そんな「先従隗始」についての解説となります。

先従隗始の意味

「先従隗始」の意味は以下の通りです。
・物事を行う時は身近な事から始めるという教え。手近な事から始める喩え。
・手近な者を優遇する事から、転じて、提案した人が最初に物事を始める。
・諺「先ず隗より始めよ」(まずかいよりはじめよ)、「隗より始めよ」も同義。
”先従”は「先の人に従う」「最初の人に従う」、”隗始”は「(中国戦国時代の政治家)郭隗が始める」で、「先従隗始」は二つの意味があります。一つは物事の計画等がある時は、まず最初は身近な事から始めるべきで、もう一つは最初に提案した者が実行するべきという事です。これは「小さな事からコツコツと」や「千里の道も一歩から」という言葉に非常に近く、大きな目標を成し遂げるなら、最初から実現不可能な事をやるのではなく、まずは手近な事から始めるべきと表現しています。提案した者が実行するは、元となる言い伝えによると、郭隗が「私のような凡人を優遇すると、その後に優秀な人材が集まる」と王に申し出たのがきっかけです。

先従隗始の由来・出典

「先従隗始」の由来は、中国前漢時代の歴史書「史記」の「燕召公世家」となります。

先従隗始の類義語・同義語

「先従隗始」の類義語は「燕昭築台」、四字熟語以外では「死馬の骨を買う」などが挙げられます。

先従隗始の使い方・例文

例文1.大きなプロジェクトを任され鼻息が荒くなっていたら、上司から「落ち着いて先従隗始になれ」と進言され、冷静さを取り戻した。
例文2.先従隗始、引っ越し前に生活用品を整理しようと決めた。
例文3.先従隗始、いつもは口だけで何もしない姉が率先して大掃除を始めたので、明日は雨だと母と笑い合った。
例文4.成功者の多くはコツコツ努力型なので、先従隗始とは実に的を得ている。
例文5.自転車で日本一周をするのが夢だが、先従隗始、まずは市内一周を試しにやってみる。
身近な事から始める、先に言った人がやるという意味で「先従隗始」を使った例文です。

先従隗始の会話例

男性
政府と東京都は、相変わらずコロナの対応で一枚岩になれないね。
女性
それはお互いに責任を取りたくないから。面倒事はゴメンなのよ。
男性
あっ、そうか。先従隗始という事だよね。先にあれこれ言ってしまうと、自らが対応するようになるから、口を濁しているんだ。
女性
政治の世界なんてそんなものよ。足の引っ張り合いは、コロナ禍という未曽有の事態でも変わらないんだから。

コロナ禍での国と都の対応について男女が会話をしています。

先従隗始の豆知識

「先従隗始」から”手近”や”身近”に関する四字熟語は、遠い将来を見通した深い考えで行動しないと身近な心配が起こる「遠慮近憂」、万里の遠方の出来事も手近な寒暖のように分かる事から臣下の者を誤魔化せない喩え「階前万里」、身近で容易な事から学びだんだんと高度な道理に通じる「下学上達」などがあります。

先従隗始の難易度

「先従隗始」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”隗”は1級で大学一般レベル、”従”は5級で小学校高学年レベル、”始”は8級で小学校中学年レベル、”先”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

先従隗始のまとめ

「先従隗始」は古代中国の政治家・郭隗の言葉を基にした四字熟語で、大きな物事を始める時は身近な事から始めると、言い出した者が始めるという二つの喩えです。この喩えは普段の我々の生活にも根付いていて、最初に皆を誘った者が率先して楽しませたりお金を多く払うや、小さな事からコツコツと頑張るのは「先従隗始」がそれだけ人々に浸透しているからと思えてなりません。

先従隗始で身近なことから始める女の子。
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