【一心不乱(いっしんふらん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一心不乱(いっしんふらん)

何かに集中する様を表現する言葉は「一生懸命」「我を忘れて」「集中して」「全身全霊」等々が有名ですが、何かもう一つ大事な言葉があると思いませんか? そうです、「一心不乱」もありますよね。心を乱さないで集中していると感じさせます。その一方、先ほどの様な類語が多数あるので、今一つ使い分けが難しいのも事実なので、その辺りの解説もさせて頂きます。

一心不乱の意味

「一心不乱」の意味は以下の通りです。
・心乱されず一つの物事に集中する。心を一つに集中して打ち込む。
・神経を集中させ周囲の事には関心を取られない。
・よそ見をしないで一心に努力する。
”一心”は仏教用語でもあり「心を一つにする」「心を集中させる」「自分の心」、”不乱”は「乱れない」「心が落ち着いている」となり、上記の様な心が集中している状態の事です。熱心や真剣といった類語は多数ありますが、心から集中しているか否かが大きな違いと言えるのではないでしょうか。そこから、若い世代では仕事以外にも恋愛などで使われる事もあり、我を忘れるぐらい相手に夢中になっている様を表現していると理解できます。一般的な使い方としては、「一心不乱に努力する」「一心不乱な姿」「一心不乱になる」等の形が多くなります。また、”一心”は仏教用語の側面もあるので、仏教関連では敢えて用いる場合もあります。

一心不乱の由来・出典

「一心不乱」の由来は、大乗仏教の経典「阿弥陀経」の語録「我体を捨て南無阿弥陀仏と独一なるを一心不乱といふなり」からです。

一心不乱の類義語・同義語

「一心不乱」の類義語には、「一意専心」「一心一意」「一所懸命」「無我夢中」などが挙げられます。

一心不乱の使い方・例文

例文1.学校をサボって一心不乱にゲームをして、その後に芸能人の誹謗中傷をSNSに書き込んだ。
例文2.少し前まではひとりキャンプに夢中になっていたのに今は鬼滅の刃に一心不乱で、何度も映画鑑賞をしてはグッズを購入している。
例文3.受験勉強を一心不乱になって努力をして、その甲斐もあって有名大学に合格した。
例文4.上司から、「もっと一心不乱な姿を見せろ」と檄を飛ばされた。
例文5.一心不乱に努力をしても、現状の困窮生活を抜け出すのは難しいのが現実だ。
仕事や大学受験で「一心不乱」を使った例文です。

一心不乱の会話例

男性
どれどれ、じゃあ頂きます。…美味いねー、この唐揚げ。
女性
そうでしょう。この前失敗したから、一心不乱に努力をしたからね。
男性
いやいや、元々料理の才能があったんだよ。
女性
そんなに褒めないでよ。今度は、別の料理も作ってあげるね。

仲の良い恋人同士の会話風景で、彼女が作った唐揚げを彼氏を絶賛しています。

一心不乱の豆知識

「一心不乱」と類語「一生懸命」「無我夢中」等の使い分けは、あまり神経質になる必要はありませんが、一応はあります。例えば、勉強だったら「一心不乱に勉強する」「一生懸命に勉強する」「無我夢中に勉強する」とどれでも大差なく問題ありませんが、住職が念仏を唱えるなら「一心不乱」が相応しく他はあまりよろしくありません。同様に、お腹が減ってご馳走にありついた際なら「一心不乱に食べる」「無我夢中に食べる」はしっくりきますが、「一生懸命に食べる」はどうも違和感があります。この様に類語といえども、状況に応じた適切な言葉を選択するべきなのです。

一心不乱の難易度

「一心不乱」は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、”乱”は5級で小学校高学年レベル、”不”は7級で小学校中学年レベル、”心”は9級、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一心不乱のまとめ

「一心不乱」は、心を集中して物事に取り組む様であり、神経を集中させるという意味になります。周囲の様子に動じないで仕事や学業などに必死で、「一生懸命」などの類語よりも集中や真剣を強調したい時に用いられます。

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