前程万里(ぜんていばんり)
｢前程万里｣とは｢(若者の)人生はとても長く、未来への可能性を秘めている｣という非常にポジティブな言葉です。若さとはそれだけで武器であり、逆に言うなら老いるとはそれだけ人生の終わりが近付いているのです。そんな、将来の希望が溢れていると背中を押してくれるような言葉でもある｢前程万里｣の解説をさせて頂きます。
前程万里の意味
｢前程万里｣の意味は以下の通りです。
・未来への可能性に満ちている。
・これから先の道のりが非常に長い事から転じて、将来の可能性が大きく広がっている事。
”前程”は｢行き先｣｢先の道のり｣｢将来｣、”万里”は｢一里の万倍｣｢非常に遠い距離｣｢非常に遠い場所｣で、二つを合わせて遠い先の未来や人生がまだまだ続くという意味合いで、そこから、主に若者には明るい未来や希望があるという喩えで用いられます。具体的には十代や二十代前半などは、これから先の未来に時間がまだまだ沢山あるので、無限の可能性が広がっています。努力次第でどうにも歩んでいけて、人生を変えるチャンスが目の前にあるのです。よって、非常にポジティブで希望溢れる言葉となっていて、例えば新入生や新社会人へのエールを送る言葉や座右の銘などで使われる事が多いです。因みに｢前程万里｣の対義語は有名な｢前途多難｣で、これから先は困難や災難が待っているという不吉な言葉です。
前程万里の由来・出典
｢前程万里｣の由来は残念ながら不明です。文献としては、”前程”は平安時代初期の勅撰漢詩集｢文華秀麗集｣(818年)、”万里”は日本最古の漢詩集｢懐風藻｣(751年)などに文言が記されています。
前程万里の類義語・同義語
｢前程万里｣の類義語には、｢前途有望｣｢前程遠大｣などが挙げられます。
前程万里の使い方・例文
例文1.ベビーベッドで安らかに眠る我が子を見て、この子にはこれから前程万里なる明るい未来が待っていると思うと、羨ましくて軽く嫉妬した。
例文2.初恋の相手と結婚できた時は、前程万里で目の前が一気に広がったが、それから半年後に彼女の借金癖が明るみになるとは思いもしなかった。
例文3.投資とは不思議なもので、一回でも勝つと意気揚々と前程万里になるが、一度負けても何とも思わず、二度負けても次は勝つと意気込み、仕舞いには損切り出来ずに含み損でもまだチャンスがあると構えるのだから、それは養分とバカにされる訳だ。
例文4.ピアノを習い始め美しい旋律を覚えて奏でると、もしかしたらピアニストとして前程万里な可能性がある気がするが、所詮は素人レベルでプロには到底敵わないと限界も覚えてしまう。
例文5.十代で活躍するテクニシャンのサッカー選手は、これからイニエスタのような未来が待っていると前程万里の夢を膨らませられるが、彼は特別なので精々アルシンドやモネールぐらいを目標に下方修正すべきだ。
将来への期待として｢前程万里｣を使った例文です。
前程万里の会話例
子供達の寝顔を見ながら夫婦が愛情溢れる会話をしています。
前程万里の豆知識
｢前程万里｣から”将来”に関する四字熟語は、将来を見通して深い考えから行動しないと、いつか心配事が生じる｢遠慮近憂｣、将来の目的達成の為に屈辱や苦労に耐え忍ぶ｢韓信匍匐｣、若者は未熟だが大きな可能性を秘めて将来は大物になるかも知れないので侮ってはいけない｢後生可畏｣などがあります。
前程万里の難易度
｢前程万里｣は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”程”は6級で小学校高学年レベル、残り三文字は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
前程万里のまとめ
｢前程万里｣は行き先や将来が非常に長いや遠いという意味合いから、若者には時間がたっぷりあり将来の可能性を秘めているという事です。要するに、若いと言う事はそれだけで素晴らしく、まだまだ人生の先は長くて希望が溢れているのです。
