【二転三転(にてんさんてん)】の意味と例文と使い方

二転三転(にてんさんてん)

「二転三転」とは「決定した事が何度も覆ったり、発言や方針等がコロコロ変わる事」です。変化が激しい事や交渉がまとまらない場合でも「二転三転する」と使い、上司がそんな性格だと部下は対応で振り回されるのでとても大変でしょう。そんな一貫性がない状況である「二転三転」についての解説となります。

二転三転の意味

「二転三転」の意味は以下の通りです。
・物事の内容や状態や成り行きなどが何度も変わる事。
・一度決めたはずの方針や方向性がくるくると変わり、最終決定に至らない。
・状況や情勢や言動などが何度も覆り、前に進めず膠着したり停滞する事。
”二転”は「二回転がる」「二度変わる」、”三転”は「三回転がる」「三度変わる」で、一度決まったはずの物事がその後二度三度と覆ってしまうのが「二転三転」です。例えば、会議などで決まったはずの事案が明日になると見送りや打ち切りなっていて、その後承認されたと思ったら再び見送りになる。こんな繰り返しが続き周囲が振り回されるのが「二転三転」です。他にも、会話でも発言がその場の状況に応じて内容が変わってしまう事やそんな人にも「二転三転」と使います。要するに、物事や情勢などが決まらない場合や決まったものがすぐに変更される事です。近年ではコロナ禍による国や行政の指示は「二転三転」のオンパレードで、それこそ話題に尽きる事はありません。実際に使う際には「二転三転した」「二転三転する」「二転三転の末に」といった風になります。

二転三転の由来・出典

「二転三転」の由来は残念ながら不明です。文献としては、小説家・城山三郎の著書「官僚たちの夏」(1974年)などに文言が記されています。

二転三転の類義語・同義語

「二転三転」の類義語には、「朝令暮改」「形勢一変 」「千変万化」などが挙げられます。

二転三転の使い方・例文

例文1.前々から家族旅行をする計画だったが、父の仕事が急に雲行き怪しくなり当日まで休めるのか判断がつかず、結局は二転三転した末に中止となった子供時代の記憶を妙にリアルに覚えている。
例文2.彼女とのデートは苦痛の連続で、食事から買物まで気分によって一瞬で二転三転して、挙句には途中で帰ってしまう事もあるお嬢様だ。
例文3.政治家の発言が二転三転するのはすっかりお馴染みなので、今更何を撤回しても驚きもないし、当然投票をする気も起こらない。
例文4.負けている個人投資家の長期取引は単に損切りができないだけなのに、二転三転する言い訳だけは巧みにレベルアップするからとても面白い。
例文5.捕まった薬中は取り調べで供述が二転三転するが、それが狙ったものなのか禁断症状による無意識なものなのかは、ベテラン刑事でも掴めない。
状況などが変わってしまう事を「二転三転」とした例文です。

二転三転の会話例

男性
明日の食事はどこに行く?
女性
そうね…。でも私達が決めても、当日になって子供たちが二転三転するから。この前なんて、回転寿司に行くって予約したのにキャンセルしたでしょう。
男性
そうなんだよ。特にお姉ちゃんが気分屋さんだから、本当にコロコロ変わるよ。
女性
まあ、そういう年頃なのよ。でも、酷い反抗期になるよりはいいじゃないの。

翌日家族で食事に行く事になり、何を食べるか夫婦が話し合っています。

二転三転の豆知識

「二転三転」から”変化”に関する四字熟語は、国の経済規模が急激に変化しないで安定して伸びていく「安定成長」、状況の変化で喜んだり不安になったりする「一喜一憂」、音楽や口調や文章などで変化に乏しい「一本調子」、気象の変化である「雨露霜雪」、物事の事態などが突然変化して解決に向かう「急転直下」などがあります。

二転三転の難易度

「二転三転」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”転”は8級で小学校中学年レベル、”二”と”三”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

二転三転のまとめ

「二転三転」は物事が何度も変わったり一度決まったはずが覆ってしまう事です。文字通りに二度や三度転がる(変わる)として、会話から態度や約束などが状況に応じてコロコロと変わるので、周囲は振り回されたり呆れてしまいます。

様々なことが二転三転する。
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