因循姑息(いんじゅんこそく)
「因循姑息」とは「古い仕来りや習慣を大事にしてその場凌ぎに徹したり、決断力に欠ける事」です。自分が新しく何かを始めるよりも、昔ながらの教えやルールに従っている方が圧倒的に楽であり責任も回避できますよね。現代の流れを無視したその場凌ぎが「因循姑息」で、あなたの周囲にもそんな責任を負うのを避ける性格の人が多いのではありませんか?
因循姑息の意味
「因循姑息」の意味は以下の通りです。
・古い習慣などに囚われて改めようとせず、その場凌ぎに終始する事。
・仕来りややり方を重んじて、その場限りの行動をしたり決断力が欠けてしまう事。
・「因循」も同義。
”因循”は「古い習慣に囚われ改めない」、”姑息”は「一時凌ぎ」「その場逃れ」で、昔からの習慣や方法を大事にするあまり、問題事が起こるとその場凌ぎに徹したり決断が曖昧になるのが「因循姑息」です。これは緊急時などの問題事が起こってしまった時の対処法として、本来は最善策を速やかに実行するべきなのですが、何か新しい事をして失敗をするなら責任逃れとして従来の方法に従ったり、習慣を守る方を選択するのです。要するに責任逃れの言い訳をするのには適した行動となり、姑息なやり方ですが効果的なのも事実です。よって、そんなズルい選択をする人を非難するように「因循姑息なやり方」「因循姑息な人」といった風に使います。
因循姑息の由来・出典
「因循姑息」の由来は残念ながら不明です。文献としては、近代日本を代表する小説家・谷崎純一郎の著書「細雪」(1943~48年)などに文言が記されています。
因循姑息の類義語・同義語
「因循姑息」の類義語には、「因循苟且」「萎靡因循」「糊塗」などが挙げられます。
因循姑息の使い方・例文
例文1.教育機関で事故や事件が起こると全国各地どこでも関係者全員が因循姑息に徹して、本気で反省や解決する気がないのが透けて見える。
例文2.幼馴染の友人の性格は因循姑息だと誰よりも知っていたが、結婚だけはあっさり決めて俺に差をつけたのはお見事だが結局バツイチになったのも、計画性がなくその場凌ぎな性格に奥さんが嫌気を差したからだろう。
例文3.保守を合言葉に集まった偉い偉い議員さんは、この国が廃れていっても相変わらず間抜けな昔ながらの方法を信じ込む因循姑息に拘り、反対意見には子分コメンテーターが屁理屈で胡麻擂りすればポイント還元され大喜びする。
例文4.日銀がこのまま庶民生活や経済動向に目を向けず、政府の意向だけに沿って因循姑息な政策を続ければ、ロシアや北朝鮮とどっこいどっこいな国家にまで落ちぶれるのも現実味を帯びて時間の問題だ。
例文5.企業が成長しないのは、結局のところ出世するのは上司に気に入られる因循姑息なタイプばかりで、そんな人が画期的なアイディアを持っていたり決断に優れている訳がない。
「因循姑息」を使った例文となります。
因循姑息の会話例
「因循姑息」な性格の夫が弱音を吐きますが、妻がフォローするという内容です。
因循姑息の豆知識
「因循姑息」から”習慣”に関する四字熟語は、風俗や習慣を良い方へ変える「移風易俗」、古くから続く習慣や行事は廃絶してはならない「告朔餼羊」、習慣や訓練によって刺激に対して決まった反応をする「条件反射」などがあります。
因循姑息の難易度
「因循姑息」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”姑”は準1級で大学一般レベル、”循”は準2級で高校レベル、”因”は6級で小学校高学年レベル、”息”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。
因循姑息のまとめ
「因循姑息」は昔ながらのやり方に拘りその場を凌ぐ事です。新しいやり方をした挙句に失敗をして責任を取らされるよりは、従来通りの方法に従った方が失敗をしても責任逃れができます。そんな姑息な方法と受け取れるのが「因循姑息」です。