【元軽白俗(げんけいはくぞく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

元軽白俗(げんけいはくぞく)

「元軽白俗」とは「中国唐時代の多くの有名詩人達をまとめて批判する言葉」です。現代的に言うなら、辛口レビューや正直レビューといった感じで、普通なら相手の事を考えて多少言葉を濁すのに、直球で思いのまま批判をしているのが「元軽白俗」です。

元軽白俗の意味

「元軽白俗」の意味は以下の通りです。
 ・中国唐時代の詩風を批判した言葉で、この時代の詩風は軽薄で卑俗である。
 ・元稹の詩は軽々しく重厚さがなく、白居易の詩は卑俗であるとして、唐時代の有名な詩人を厳しく酷評した言葉。
”元”は「唐代の詩人・元稹」、”軽”は「軽薄」、”白”は「唐代の詩人・白居易」、”俗”は「卑俗」で、中国唐時代を代表する詩人の元稹と白居易の作品を軽薄で卑俗と酷評したのが「元軽白俗」です。正確には「元軽白俗」の後に「郊寒島痩」と続き、同じく有名な詩人である孟郊と賈島の事も批判しているので、唐時代を代表する有名詩人を徹底的に酷評しています。現在においては、芸術作品などを批判する際に使われます。

元軽白俗の由来・出典

「元軽白俗」の由来は中国北宋時代の政治家・蘇軾の「祭柳子玉文」となります。

元軽白俗の類義語・同義語

「元軽白俗」の類義語には、「郊寒島痩」などが挙げられます。

元軽白俗の使い方・例文

例文1.子供の頃は漫画家を目指して毎日絵を描くのが楽しかったが、大人になって作品を出版社に持っていくと担当者から元軽白俗されてばかりでもう耐えられず、ネットから自主出版する事にした。
例文2.元軽白俗、評論家は素人作品には大変厳しくあれこれ難癖をつけるが、その代わりにプロ作家の作品には尻尾を振って散々褒めちぎる。
例文3.今は昭和や平成時代に流行ったものが再ブームとなっているが、もう暫く経過したら元軽白俗な扱いになるのは目に見えている。
例文4.Jポップやアニソンなどはどれだけ聴いても元軽白俗をする気にもならない、ある意味で完成された究極のアンチポップミュージックだ。
例文5.SNSでフォローが集まる話題ほど俺には元軽白俗にしか見えず、共感ばかりするのはとても薄っぺらで底が浅い。
「元軽白俗」を使った例文となります。

元軽白俗の会話例

男性
新しく美術館がオープンするんだって。知ってる?
女性
何か来月あたりに完成するのよね。でも、私はそんなにアートに詳しくないから。
男性
俺もだよ。まったく分からない。どちらかと言うなら、元軽白俗で批判の専門家だよ。
女性
確かに前衛的な作品なんて、どこが才能アリの分岐点なのか全く判断がつかないものね。

芸術や美術館オープンについて同僚が会話をしています。

元軽白俗の豆知識

「元軽白俗」から”批判”に関する四字熟語は、水が沁み込むように批判を繰り返す「浸潤之譖」、国政に対して浴びせられる民間の批判の声「草茅危言」、厳しい忠告や遠慮のない批判は自分の為になる「良薬苦口」などがあります。

元軽白俗の難易度

「元軽白俗」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”俗”は4級で中学レベル、”軽”は8級で小学校中学年レベル、”元”は9級、”白”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

元軽白俗のまとめ

「元軽白俗」は中国唐時代の詩風を厳しく批判した言葉です。四字熟語としては珍しいタイプですが、この時代の有名な詩人達の作品をまとめて軽薄や卑俗と貶しています。ですから現代は逆に使い方が難しく、芸術的な分野での批判などに使われます。

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