【怨憎会苦(おんぞうえく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

怨憎会苦(おんぞうえく)

生きていると本当に様々な事があるので、良い事ばかりでなく辛い事や堪え難い苦痛もあります。これらによって人として成長させるという声もありますが、同時に「なぜ自分だけが!」と思ってしまうのもまた事実です。そこで今回は、この様な心境時にある意味で共感できる四字熟語「怨憎会苦」について紹介させて頂きます。

怨憎会苦の意味

「怨憎会苦」の意味は以下の通りです。
・自分が怨んだり憎むべき人にも会わなければならない苦しみ。
・仏教用語の四苦八苦の一つで、嫌いな人や憎む相手に会う苦しみの事。
・互いに憎しみ合う同士が会う事。
仏教用語の四苦八苦の一つが「怨憎会苦」で、怨んだり憎むほど嫌いな相手とも会わなければならないを意味しています。要は、嫌いな人と会うのは苦痛であり避けたいものという事です。自分が相手を嫌うという事は、相手も嫌っているもので、お互いに憎しみ合っている状態となります。実生活でも、嫌いな上司や同僚など、どうも馬が合わなくて顔を合わせるのが憂鬱という事があると思います。そんな関係性における苦しみが「怨憎会苦」です。

怨憎会苦の由来・出典

「怨憎会苦」の由来は、仏教の教えにおける「苦」(苦しみ)となります。開祖・釈迦によると、「苦」とは八つの苦しみ「四苦八苦」で、その一つが「怨憎会苦」です。諸説ありますが、日本には5世紀から6世紀頃にかけて中国から仏教が入ったとされているので、この頃に仏教の教えと共に「怨憎会苦」も広まっていったと推測できます。

怨憎会苦の類義語・同義語

「怨憎会苦」の類義語には、同じく四苦八苦である「求不得苦」「五蘊盛苦」などが挙げられます。

怨憎会苦の使い方・例文

例文1.直属の上司である係長とはどうも馬が合わず、日に日に怨憎会苦な思いが膨らみ、今では転職を考えているほどだ。
例文2.怨憎会苦な考えから解放され、相手を哀れむまで達観できれば良いが、現実はなかなか難しい。
例文3.結婚3年目を迎える妻とは冷え切っていて、離婚をしないのは単に面倒なだけで、一緒に生活するだけの下宿人のようになっている。そんな怨憎会苦な二人に、当然会話も殆どない。
例文4.父親の会社を乗っ取った憎むべきあいつが、今では仕事の最大の取引先で、顔には出さないが心の中は怨憎会苦で同じ空気を吸うのも我慢ならない。
例文5.怨憎会苦な気持ちで帰宅しても、愛犬と愛猫の顔を見ると途端に幸せになれる。
憎むべき相手やその苦しみを「怨憎会苦」で表現した例文となります。

怨憎会苦の会話例

男性
やっと仕事が終わったよー。でもなー…、家には帰り辛い。
女性
奥さんとケンカでもしたんですか?
男性
ケンカというか、最近はどうもギクシャクしていて、結婚を続けるのは大変だよ。独身が羨ましい。
女性
そんな事言わないで早く帰って下さい。修復しないと、怨憎会苦な関係で最後は離婚ですよ。

職場にて、男性が同僚女性に結婚の愚痴を吐露しています。

怨憎会苦の豆知識

由来でも少し解説した釈迦の教え「四苦八苦」を深掘りすると、「苦」とは「苦しい」だけではなく、「思い通りにならない事」となります。よって、殆どの事柄が「苦」になり、代表的なものを「四苦八苦」と呼びます。「四苦八苦」の種類は、根本的な四苦は「死」「病」「老」「生」で、そこに追加した四苦は「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」で合わせて八苦となります。

怨憎会苦の難易度

「怨憎会苦」は漢字検定2級から9級相当の文字組み合わせで、”怨”は2級で大学一般レベル、”憎”は3級で中学校卒業レベル、残り二文字は小学校で習う四字熟語となります。

怨憎会苦のまとめ

「怨憎会苦」は仏教用語の四苦八苦の一つで、憎むべき相手と会う事の苦しみといった意味があります。本来は憎む相手とは出来るだけ避けるものですが、それが仕事であったり結婚している妻となると、否が応でも関係を続けなければならない場合もあります。また、自分が憎み嫌うという事は、相手も同様という事が多く、そんな複雑な関係を言い表す言葉となっています。

怨憎会苦は何も生み出さない
最新情報をチェックしよう!