【風樹之歎(ふうじゅのたん)】の意味と例文と使い方

風樹之歎(ふうじゅのたん)

「風樹之歎」とは「両親が生きていないから親孝行が出来ないと嘆きの言葉」です。日本では諺「親孝行したいときには親はなし」が有名ですが、その元となる四字熟語が「風樹之歎」になっています。ですから親孝行はするべきなんだと、改めて思い知らされますよね。

風樹之歎の意味

「風樹之歎」の意味は以下の通りです。
 ・両親がこの世に存在しないので親孝行が出来ない嘆き。
 ・親孝行をしようと思った時には既に死んでいて孝養が出来ないという嘆き。
 ・風で揺れている木は風が止まらないと制止出来ない事から、親孝行が出来ない嘆き。
 ・「風樹之嘆」「風樹の嘆」とも書き同義。
”風樹”は「風に揺れる木」、”歎”は「嘆き」「溜息をつく」「褒め称える」で、風に揺れる嘆きから、父母がこの世に既に居ないので親孝行が出来ない嘆きが「風樹之歎」です。よって、両親が亡くなっている場合だけでなく、生存していてもそうならないようにと否定で「風樹之歎」を使うケースもあります。有名な諺「孝行のしたい時分に親はなし」「親孝行したいときには親はなし」と全く同じで、親が生きている内に孝行すれば良かったという後悔の言葉でもあります。

風樹之歎の由来・出典

「風樹之歎」の由来は中国漢時代の詩経の解説書「韓詩外伝」の「九」となります。

風樹之歎の類義語・同義語

「風樹之歎」の類義語には、「風樹之悲」「風木含悲」「風木之悲」などが挙げられます。

風樹之歎の使い方・例文

例文1.反抗期が長かった荒くれ者の俺が段々と心を入れ替え、今は誰よりも風樹之歎を心配するあまり孝行をしている。
例文2.両親が亡くなって始めて、風樹之歎が理解出来た。
例文3.どんな悪党にも風樹之歎なる心が残っていると思うと、少しだけ甘くなってしまう。
例文4.風樹之歎から毎月給料の少しを小遣いで渡していたが、それをいつもパチンコや競馬に使っていたと知り、少し呆れたが仕方がないと割り切った。
例文5.政治家が金にせこくてがめついのは、風樹之歎で自分を後押ししてくれた恩人達に金を返さないといけないからで、その為には血税だろうと1円も無駄にしないで懐に入れる。
「風樹之歎」を使った例文となります。

風樹之歎の会話例

男性
来月あたりは両親を旅行にでも連れていこうか?
女性
珍しいじゃない。何か良い事でもあったの?
男性
別に何もないけど、風樹之歎って言うじゃない。親孝行をしておこうと思って。
女性
そんな余裕があるなら、妻の私にブランド物のバッグでもプレゼントしてくれても良くない。あなたにはその配慮がないのよ。

親孝行よりも妻を大事にしろという夫婦の会話です。

風樹之歎の豆知識

「風樹之歎」から”両親”に関する四字熟語は、父母の愛情は大きく子供は僅かでも報いるのが難しい「寸草春暉」、母親の愛情が強く子供を甘やかすと放蕩者になってしまう「放蕩者」、旅の途中で空や雲から両親を思い出し悲しむ「白雲孤飛」などがあります。

風樹之歎の難易度

「風樹之歎」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”之”と”歎”は準1級で大学一般レベル、”樹”は5級で小学校高学年レベル、”風”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

風樹之歎のまとめ

「風樹之歎」は両親が亡くなり親孝行が出来ない嘆きの言葉です。風でなびく木は止める事が出来ないので、そこから親が亡くなってしまうと孝行をしたくても出来ないと悲しみから嘆いているのです。

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