【孟母断機(もうぼだんき)】の意味と例文と使い方

孟母断機(もうぼだんき)

「孟母断機」とは「物事を中途半端にする事を戒める教え」です。何事も諦めるのは簡単ですが、それではどんな事も絶対に成功しないですし、何よりも諦めや逃げ癖がついてしまいますよね。そんな現在の教育熱心な母親と同じ考えを持っていたのが、古代中国の偉人であり儒学者・孟子の母親だったのです。それでは、自論も含めて「孟母断機」の解説をさせて頂きます。

孟母断機の意味

「孟母断機」の意味は以下の通りです。
・物事を途中で断念したり諦めるのはいけないとする戒め。
・古代中国の儒学者・孟子が幼少期に学業を半ばにして帰ってきた事を母が織っていた織布を断ち切り戒めた事から、転じて、物事を中途半端に投げ出すのはよくないとする教え。
・諺「孟母断機の教え」「断機の戒め」「断機の教え」、「断機之戒」も同義。
”孟母”は「孟子の母親」「孟子の母から賢母の代表」、”断機”は「織っていた機(はた)の糸を断ち切る」「織布を断ち切る」となり、孟子の母親の息子への強い愛情と叱咤激励を感じさせる言葉が「孟母断機」です。深掘り解説すると、のちに中国戦国時代を代表する儒学者となる孟子が幼少期、久しぶりに実家に帰省すると、その姿を見た孟子の母親は作業中の織っていた機の糸を断ち切って、学問を途中で中断するのはこのような事だと戒めたのです。これは、学問を途中で投げ出したり中途半端に放棄するとこれまでの努力が無駄になると、若き孟子に教えたのです。そこから、「中途半端にするな」「途中で投げ出すな」「物事を諦めるな」という教訓や戒め、又は喩えとなっています。従って、いい加減・適当・無計画・怠惰・断念・妥協などを否定する言葉が「孟母断機」ともなります。さらに端的に表現するなら、「頑張れ」「負けるな」「ファイト」といった勇気付けやエールを送る言葉とも受け取れます。

孟母断機の由来・出典

「孟母断機」の由来は、中国前漢時代の女性だけの史伝で構成された歴史書「列女伝」(古列女伝)の母儀・鄒孟軻母となります。

孟母断機の類義語・同義語

「孟母断機」の類義語には、「軻親断機」「断機之戒」などが挙げられます。

孟母断機の使い方・例文

例文1.塾やスイミングを止めたいと頼んだが、孟母断機の教えを両親から教え込まれて泣く泣く断念をした。
例文2.孟母断機、東大など有名大学に通わせた両親の共通教訓ではないだろうか。
例文3.孟母断機、人は弱い生き物だからこそやり続ける事が称賛される。
例文4.仕事を退職したいと相談しにきた後輩に孟母断機の教えを説いたが理解されず、翌日に退職届を出してしまい力不足に落胆した。
例文5.孟母断機を胸に誓い、どんなに苦しくても部活と学業を両立させたので現在は弁護士として大成を手に入れた。
学業や仕事などを諦めないで頑張れといった意味合いで「孟母断機」を使った例文です。

孟母断機の会話例

男性
頭が痛い。背中が痛い。
女性
また仕事に行くたくないからって、そんな仮病を使おうとして。早く起きないと遅刻するわよ。
男性
うーん。でも、本当に調子が悪いんだよ。
女性
あなた、今仕事を辞めたらこれまでの努力が無駄になるのよ。それこそ孟母断機で、会社やあなたにも大きな損失になるじゃない。だから、今日も頑張ってきてね。

仕事に行きたがらない夫と、それを宥める妻の会話やり取りです。

孟母断機の豆知識

「孟母断機」は母親の叱咤激励という側面もあるので、母親に関する四字熟語は、苦労を重ねた両親や父や母の死を嘆く「哀哀父母」、父母の死を悲しむ「哀毀骨立」、父母や兄弟が元気な「君子三楽」、母親の慈愛で放蕩な息子ができる「字母敗子」、夫に対してはよい妻で子供には養育を励む「良妻賢母」などがあります。

孟母断機の難易度

「孟母断機」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”孟”は準1級で大学一般レベル、”断”は6級で小学校高学年レベル、”機”は7級で小学校中学年レベル、”母”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

孟母断機のまとめ

「孟母断機」は途中で断念や中途半端で終わらせるのは良くないとする、古代中国の孟子の母親の愛情深い教えからの戒めの言葉です。学業を途中にした孟子の態度を戒めた事から、本来は学業を投げ出す事を批判していますが、それが現在は「中途半端がダメ」から「諦めるな」「頑張れ」などのエールを送る言葉とも受け取れます。

孟母断機を胸に刻んで最後まで努力した。
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