【一病息災(いちびょうそくさい)】の意味と例文と使い方

一病息災(いちびょうそくさい)

家族に高齢者や入院患者がいると、自然と健康を意識するものです。また、昨今の健康ブームから日頃から意識している人も多いでしょう。これらの方は、多分「一病息災」という言葉を理解していると思います。それでは、健康に関係する四字熟語として覚えておくべき「一病息災」について、解説をさせて頂きます。

一病息災の意味

「一病息災」の意味は以下の通りです。
・健康な人より、少しぐらい持病がある方が健康に気を遣い長生きをする。
・一つぐらい軽い病気を持つと、体に注意をするので健康な人より長生きできる。
「病は気から」という諺もありますが、「病を持って病を知る」という感覚に近いのが「一病息災」ではないでしょうか。大凡の意味は上記の通り、健康な人よりも少しぐらい持病や調子悪い人の方が、体を日常的にケアするので、最終的には長生きをするという言い伝えの様なものです。実際に使用する際には、患った当人が謙遜する様に用いるのが多いです。「一病息災」について、実際のところ長生きするのか、その信ぴょう性は不明ですが、男性より女性の方が長生きをする、筋骨隆々やプロスポーツ選手よりも普通体形の方が長生きをするデータもあるので、強ち間違いとも言えないです。一方、一番良いのは健康な人が日頃から健康を意識する事ですが、持病を抱える人にも希望を持たせる言葉とするなら、これだけ医学が進歩した現在においても大成功なのではないでしょうか。”一病”は「一つの病」「ひとたび病む」、”息災”は「病気をしないで元気」「何事もなく達者」「(仏の力)で災害や病気など災いを除く」となります。

一病息災の由来・出典

「一病息災」の由来は、「無病息災」から発生した言葉とする説が有力です。”無病”は「病気をしない」で、”息災”は仏教用語で「(仏の力)で災害や病気など災いを除く」となります。因みに文献としては、小説家・遠藤周作の「四十歳の男」(1964年)に文言が記されています。

一病息災の類義語・同義語

「一病息災」の類義語には、「無病息災」「無事息災」「息災延命」などが挙げられます。

一病息災の使い方・例文

例文1.一病息災を信じて、軽い風邪なら病院も薬も必要なしでこれまでやってきた。
例文2.久しぶりに実家に帰り、祖父や親戚達と一病息災の話題で盛り上がっている隣で、喫煙と飲酒を楽しむ叔父がいる。
例文3.一病息災は飽く迄も建前で本音では有り得ないと、現実主義な姿勢を崩さない友人。
例文4.家族全員が病弱なので、何かと一病息災だからと励まし支え合っている。
例文5.原因不明の腰痛と頭痛に長年苦しんできたが、生活習慣を改めたらあっという間に改善され、一病息災という言い訳じみた拠り所も消えてしまったので、逆に心残りである。
病気に関係する文章を「一病息災」とした例文です。

一病息災の会話例

男性
フゥー、体のあちこちにガタが来ているよ。30歳を過ぎると長時間のデスクワークも辛いね。
女性
先輩はいつもそんな愚痴を言っていますよね。
男性
そっちはまだ若いから、老いの辛さが理解できないんだよ。
女性
でも、一病息災って言いますよね。先輩のように、体のあちこちが痛いと不平不満を言っている方が長生きをするそうですよ。

仕事中に体が痛いと愚痴る同僚男性に、女性が呆れながら対応しています。

一病息災の豆知識

「一病息災」関連でもある病気や健康の四字熟語は、「医食同源」「佳人薄命」「気息奄奄」「才子多病」「頭寒足熱」などがあります。「一病息災」は長生きという面も含んでいるので、この中で短命となるのは「佳人薄命」「才子多病」です。「佳人薄命」は「美人薄命」でもあり、美人は病弱で短命となります。「才子多病」は才能ある人は体が病弱という意味です。

一病息災の難易度

「一病息災」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。

一病息災のまとめ

「一病息災」は、健康な人よりも少しぐらい体調悪いや持病ある人の方が健康に気を遣い長生きをするという意味があります。云わば、健康な人ほどその自信から日々の生活を疎かにするのに対し、不安がある人はケアや管理をするので、最終的には長生きをする事もあります。これを踏まえると、健康な人でも不健康や短命は隣り合わせで、持病がある人も自分に向き合う事が大事となります。

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