蒲柳之質(ほりゅうのしつ)
「蒲柳之質」とは「秋になると早く枯れ落ちるヤナギの木から、体が弱いや病弱の喩え」です。コロナ禍となり病気や健康を気にする人も増えたようですが、昔は病弱な人をだらしないと見下す傾向がありました。しかし時代が変わり、本人の努力ではどうしようもない体質的な面もあるので、健康とは自分自身で向き合うしかありませんね。
蒲柳之質の意味
「蒲柳之質」の意味は以下の通りです。
・生まれ付き体が弱く病気になりやすい。
・植物の川柳は秋になるとすぐに葉が落ちる事から、ひ弱や病弱な体質の喩え。
・「蒲柳の質」も同義。
”蒲柳”は「ヤナギ科の落葉低木でカワヤナギやネコヤナギの事」、”質”は「体質の略」で、植物のカワヤナギ(別名:ネコヤナギ)は秋になると早く落葉するので、そこから病弱や体質が弱い喩えが「蒲柳之質」です。ですから虚弱体質・貧弱・軟弱・体力がない等々も同義扱いとなり、使い方としてはそんな人を見下すのではなく、自ら嘆くように「蒲柳之質に悩む」「蒲柳之質を改善する」といった形になります。
蒲柳之質の由来・出典
「蒲柳之質」の由来は中国南北朝時代の逸話集「世説新語」の「言語」となります。
蒲柳之質の類義語・同義語
「蒲柳之質」の類義語には、「虚弱体質」「蒲柳之姿」などが挙げられます。
蒲柳之質の使い方・例文
例文1.学生時代はいつも体力測定をしたらダントツ最下位で、このままでは蒲柳之質の烙印から宇宙飛行士の夢が絶たれると焦っていた頃を懐かしく思い出した。
例文2.蒲柳之質だった私だが、知人から漢方を勧められ飲み始めると、半年後にはトライアスロンに出場するほどの体力オバケに変身した。
例文3.先祖代々が蒲柳之質で呪われた虚弱遺伝子を受け継いでいるが、それでも子作りには成功していると気が付いたら笑ってしまった。
例文4.高校生の頃に新聞配達を始めたら、小遣いが増えるだけでなく根性と体力もついて、こんな呆気なく蒲柳之質を脱却できると驚いた。
例文5.妹は幼い頃から蒲柳之質なので兄である俺がずっと守るしかないと思っていたら高校卒業と同時にあっさり結婚をして、今では甥っ子に妹夫婦や両親からも病原菌のように邪険に扱われ、酒が入ると「早く結婚しろ」と揶揄われる始末だ。
「蒲柳之質」を使った例文となります。
蒲柳之質の会話例
職場の休憩時間の会話で、男性は病弱をアピールするが女性は疑っているという内容です。
蒲柳之質の豆知識
「蒲柳之質」から”病気”に関する四字熟語は、自分の病気を謙る「採薪之憂」、同じ病気の人々が互いに同情し合う「同病相憐」、病気に悩む美女や人の真似をして物笑いになる「西施捧心」などがあります。
蒲柳之質の難易度
「蒲柳之質」は漢字検定準1級から6級相当の文字組み合わせで、”蒲”と”之”は準1級で大学一般レベル、”柳”は準2級で高校レベル、”質”は6級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。
蒲柳之質のまとめ
「蒲柳之質」は病弱体質の喩えです。カワヤナギやネコヤナギと呼ばれる柳の植物「蒲柳」は秋になると他の植物よりも早く葉が落ちて枯れてしまうので、病弱体質の人を「蒲柳之質」と言います。