【才子多病(さいしたびょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

才子多病(さいしたびょう)

病気や健康に関係した四字熟語というと何が思い浮かぶでしょうか? 代表的なのは何と言っても「医食同源」で、次に「無病息災」や「平穏無事」といったところだと思いますが、今回の「才子多病」もそういった有名な部類に入る一つとなります。端的に言うなら、優秀な人は病弱という「才子多病」について解説に入らせて頂きます。

才子多病の意味

「才子多病」の意味は以下の通りです。
・能力に恵まれた才知な人ほど、身体が弱く病気がちである。
・優れた人ほど病に倒れる事が多い。才子は体が弱く病弱。
現在は「才子多病」と軽々しく決めつけられませんし、成績優秀でありながら運動神経抜群で体が丈夫な子供も多いものです。しかし、昔は日本でも確かにこの様な傾向があったのは否定できません。例えば昭和時代のドラマや漫画などでも、頭が良い人ほど病気がちという設定はある種スタンダードでした。本題に戻ると、”才子”は「才知に優れ頭の回転が速い人」「要領が良い」「才能と知恵に優れた人」、”多病”は「病気がち」「度々病気になる」「体が弱い」となります。「才子多病」と似た言葉には「美人薄命」があり、これも同様に美人は病弱や短命という意味です。自論も含めると、昔の中国や日本は現代よりも医療や食生活も発達していないので、病気になると治るのに時間が掛かりさらに完治が難しかったのでしょう。それで自然と力仕事や外で元気に遊ぶよりも勉学に力が入り、余計にこの様な印象が定着したと思われます。

才子多病の由来・出典

「才子多病」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代に活躍した政治小説家・末広鉄腸の「雪中梅」(1886年)に文言が残されています。

才子多病の類義語・同義語

「才子多病」の類義語には、「美人薄命」「佳人薄命」「紅顔薄命」などが挙げられます。

才子多病の使い方・例文

例文1.小学校に通う息子は、さっそく才子多病な片鱗を垣間見せつつあるが、単なるズル休みの可能性も高く親としては扱いが悩ましいところだ。
例文2.職場一の天才プログラマーは仕事とプライベートを完全に分けていて有給消化率も一番だが、周囲からは才子多病だからと文句などは誰も言えない。
例文3.才子多病タイプなので、年間休日が最も多い会社の求人に応募した。
例文4.妻には結婚する前から「才子多病だから体が弱い」と伝えてきたが、仕事をサボってはパチンコばかりしているのがバレて、現在は離婚調停中だ。
例文5.部下が自称才子多病なら、上司も才子多病タイプで肝心な時に休む事が多く、嫌なグループで働かされていると日々思う。
職場や息子に「才子多病」を使った例文となります。

才子多病の会話例

男性
大丈夫。顔色が悪そうだよ?
女性
ちょっと、貧血気味なので、時々調子が悪くなるんです。
男性
早退する? もう今日の分の仕事は終わらせてくれたし…。
女性
私って才子多病って、昔からよく言われて。体が少し弱いかも知れません。それでは、今日は帰らせてもらいます。すみません…。

職場にて、体調が悪い女性が早退をするという会話です。

才子多病の豆知識

”才子”を使った四字熟語の例では「才子佳人」があり、才知の優れた男子と美しい女子という意味になります。この事や、そもそも日本では”子”は「子供」「幼い者」「娘」という意味合いが根強いので、”才子”を「賢い子供」と捉えがちですが、実際には「才子多病」のように「優秀な人」ともなります。”子”が付く事での先入観があると、四字熟語では正しく意味を理解できなくなります。

才子多病の難易度

「才子多病」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”病”は8級で小学校中学年レベル、”多”と”才”は9級、”子”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

才子多病のまとめ

「才子多病」は、才能がある人は病気しがち、優れた人は病になりやすいという意味の四字熟語です。現在はそんな事はありませんが、昔は医療も発達していなかったので体が丈夫ではない優秀な人が多かったのでしょう。

才子多病の困難を乗り越える男性
最新情報をチェックしよう!