【無病息災(むびょうそくさい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

無病息災(むびょうそくさい)

「無病息災」とは「病気をしないで健康や元気」という意味です。そして、昔から神社などで祈願をする際の言葉としても知られ、老若男女を問わず健康こそ一番という考えは、もしかしたらこの言葉の影響がとても大きいのかも知れません。また”息災”には災害や災難を防ぐという意味もあるので、現在の震災やウイルスで苦しむ現状だからこそ余計に頼りたくなるものです。そんな「無病息災」についての解説となります。

無病息災の意味

「無病息災」の意味は以下の通りです。
 ・病気をせず健康で毎日を過ごす事。病気をしないで体調が良い。
 ・病気にかからず健康である事を願う祈願の言葉。
 ・達者である。丈夫で病気をしない。
”無病”は「病気をしない」「健康」「達者」、”息災”は「病気をしないで元気」「仏の力で災害や災難を防ぐ」となり、どちらも健康や元気という意味合いからそれをさらに強調した言葉が「無病息災」です。仏教用語という側面もあるので、神社仏閣で無病息災を祈願する際の言葉という使われ方もされます。その際には、病気平癒・合格祈願・縁結恋愛・商売繁盛なども同様に祈願の言葉となります。日本には古来から縁起物やそれを奉る文化が根付いていて、「無病息災」も上記の意味が込められていますが、同時に正月のお節料理やお餅、他にも季節や旬の食べ物や名物などを「無病息災」を願って食べると縁起が良いと信じられています。また、全国各地で行われる正月の伝統行事で門松などを炊き上げる「どんど焼き」も「無病息災」を願うとして、大勢が参加する習慣です。「無病息災」とは健康や元気という意味に留まらず、伝統行事や文化として現在の日本にもすっかり定着した特別な言葉となっています。

無病息災の由来・出典

「無病息災」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”無病”は古代中国の前漢の武帝・淮南王劉安の思想書「淮南子」、”息災”は「枕草子」などに文言が記されています。

無病息災の類義語・同義語

「無病息災」の類義語には、「一病息災」「延命息災」「無事息災」などが挙げられます。

無病息災の使い方・例文

例文1.家族の無病息災を祈願する為に、冬山を登る決意をした。
例文2.私の家族全員は無病息災に護られているのか、祖父や祖母も90を過ぎても元気でピンピンしていて頭もしっかりと物忘れもない。
例文3.家内安全と無病息災の為ならこの命を捧げても惜しくないと、飲んだくれの父が壁に向かって独り言を放ち不気味だった。
例文4.田舎では無病息災を願う伝統行事が多々あるが、その多くは都会からの観光客目当てという実情がある。
例文5.仏の修行をしている身なので、毎日毎晩いかなる時も頭の片隅には世界中の全ての人々が無病息災となる事と、献金がこのまま増えていく事を祈らずにはいられない。
家族などの健康を祈る「無病息災」を使った例文です。

無病息災の会話例

男性
お正月は初詣に出掛けている?
女性
今年はコロナだったから、バーチャルで済ませました。
男性
最先端だねー。それで、俺の無病息災も一緒に祈ってくれた?
女性
無病息災って、自分自身で祈願しないと効果ないって言いません? だから、やらなかったんですよ。

職場の同僚男女が初詣について会話をしています。

無病息災の豆知識

「無病息災」から”病”に関連する四字熟語は、食事に注意して病気を予防する「医食同源」、人がかかる病気の全て「四百四病」、心臓などに起こると治りにくい病気「心腹之疾」、重病で意識不明で昏睡状態になる「人事不省」、病気に悩む美女「西施捧心」、同じ病気の者同士で同情し合う「同病相憐」などがあります。

無病息災の難易度

「無病息災」は漢字検定6級から8級相当の文字組み合わせで、”災”は6級で小学校高学年レベル、”無”は7級、”病”と”息”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

無病息災のまとめ

「無病息災」は病気をしないで健康という意味から、健康で元気に暮らせるという喩えです。それだけ平和で幸せという事なのでしょう。また、祈願の際に使われる代名詞のような言葉でもあり「無病息災を祈る」「無病息災を願う」といった形が有名です。

薬を自ら調合し、無病息災を願う女性。
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