合縁奇縁(あいえんきえん)
殺伐とした冷え切った人間関係ばかりな世の中だからこそ、｢合縁奇縁｣といった言葉が大事なのではと最近は常々感じてしまいます。若い人達はドライであり、スマホだけの関係を良しとする傾向もあるでしょうが、もう少し人と触れ合う関係も良いものだと個人的には思ってしまいます。では、｢合縁奇縁｣について解説を始めさせて頂きます。
合縁奇縁の意味
｢合縁奇縁｣の意味は以下の通りです。
・人と人との縁は不思議な巡り合わせによるもの。
・人と人の気心が合う合わないは、縁という不思議な力の働きが関係している。
・人間関係の巡り合わせや結び付きの事で、特に男女の間柄を表現する。
・｢愛縁機縁｣や｢相縁機縁｣とも書く。
人と人が出会い仲良くなったり逆に仲が悪くなったりしますが、心が合うのも合わないのも全ては不思議な縁による巡り合わせによるものという考えが｢合縁奇縁｣です。そもそも、仲が悪い者同士にしろ、出会いがなければそんな関係には発展しなかったからです。ですから、そんな奇妙な縁とも呼べる人の出会いは大事にするべきとも解釈できます。因みに、｢合縁奇縁｣は人と人の出会いに関する言葉ですが、男女の仲や男女の間柄と限定する場合もありますが、恋愛に関係なく同性や異性同士で用いても問題ありません。”合縁”は｢気心がよく合う縁｣｢愛情のこもった縁｣、”奇縁”は｢不思議な因縁｣｢思いがけない不思議な縁｣として、どちらも同じような意味を繰り返しています。
合縁奇縁の由来・出典
｢合縁奇縁｣の由来は、仏教用語の｢愛縁機縁｣となります。意味は｢合縁奇縁｣と同じで、人と人の気心が合う合わないは不思議な縁によるものとなり、それが時代経過なのか詳細は不明ですが｢合縁奇縁｣という言葉が誕生し現在に至ります。
合縁奇縁の類義語・同義語
｢合縁奇縁｣の類義語は四字熟語では残念ながらありません。比較的近いのが｢一期一会｣｢因縁｣｢袖振り合うも他生の縁｣｢腐れ縁｣などが挙げられます。
合縁奇縁の使い方・例文
例文1.運命などはまったく信じていなかったが、妻との出会いは合縁奇縁そのものである。
例文2.入院生活を送っていたある日、病院のエレベーターを乗った時に小学校時代の友人と偶然にも二人っきりになった際には合縁奇縁が実現したと思った。
例文3.片や地方で貧しい暮らしを送り、片や東京の一等地でお嬢様生活を送った二人が、芸能界で出会い結婚に至ると合縁奇縁としか言いようがない。
例文4.稀に出会ったばかりでも妙に会話が弾む人がいる。これなどは前世で合縁奇縁の良い間柄だったのだろう。
例文5.合縁奇縁で運命の相手の出現を祈るよりも、現在周囲にいる相手に目を向けろと、既婚者の兄から忠告された。
男女や夫婦の縁、昔の友人との再会などを｢合縁奇縁｣とした例文です。
合縁奇縁の会話例
職場にて、既婚者の男性が独身女性に運命の出会いについて会話を繰り広げています。
合縁奇縁の豆知識
｢合縁奇縁｣の様に、”縁”に関する四字熟語は｢一樹之陰｣｢多生之縁｣｢月下氷人｣｢一期一会｣といったものがあります。｢一樹之陰｣は前世からの因縁、｢多生之縁｣はこの世に生まれる前からの因縁、｢月下氷人｣は縁結びの神、｢一期一会｣は一生に一度だけの機会という意味です。
合縁奇縁の難易度
｢合縁奇縁｣は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、”緑”と”奇”は4級で中学レベル、”合”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
合縁奇縁のまとめ
｢合縁奇縁｣は、仏教用語を元とした人と人の縁や男女の縁についての言葉で、人間同士の気心が合う合わないは奇妙な縁によるものという意味です。ですから、仲良くなるのは最も良いが、なれなくてもそれは不思議な因縁によるところが大きいのです。
