【会者定離(えしゃじょうり)】の意味と例文と使い方

会者定離(えしゃじょうり)

「会者定離」とは「出会った人とは必ず最後には別れがやってくる事から、人生とは無常で儚い喩え」です。平家物語の一文としても知られていますが、どちらかというなら「生者必滅」の方が先に来る事からも有名ですよね。この文章は元々は大乗仏教の経典にある「生者必滅会者定離」を抜粋したもので、しかし後から出した平家物語の方が有名になるのは皮肉でもありますが、権力闘争を描いた軍記物語なので仏教の経典よりも中身が面白いので大衆の支持を得たのでしょう。

会者定離の意味

「会者定離」の意味は以下の通りです。
 ・この世で出会った者には必ず別れが訪れる運命にある事。
 ・人とは必ず最後には別れがやって来る運命から、この世の中や人生は無常である喩え。
 ・大乗仏教の経典「遺教経」(ゆいきょうぎょう)の文章が原典で、命有る者は必ず死に出会った者と必ず別れる事になる運命から、この世は無常であると説いた言葉。
「会者定離」は仏教の最も基本であり核となる仏教思想の言葉です。元々は大乗仏教の経典「遺教経」の文章が原典で、そこには「生者必滅会者定離」と書かれています。「生者必滅」も有名な四字熟語となっていますが本来は一つの文章で、人との別れや最後は必ず死んでしまい別れるという運命にある事を説いているので、「人生とは無常」の喩えとなります。そのまま解読すれば人生を悲観や否定する言葉とも受け取れますが、実際にはだからこそ限られた時間を大切にして、人との付き合いも大事にすべきという教えでもあります。何よりも仏教の死生観には「輪廻転生」があり、人は何度も生まれ変わると教えているので、「会者定離」の別れは一時的なものとも解釈が出来ます。最終的には各々がどのように思うかに任せていますが、「会者定離」は別れがあるので人生は無常とする喩えになります。

会者定離の由来・出典

「会者定離」の由来は大乗仏教の経典「遺教経」となります。

会者定離の類義語・同義語

「会者定離」の類義語には、「生者必滅」「盛者必衰」などが挙げられます。

会者定離の使い方・例文

例文1.3年付き合った彼女にフラれたが、毎日南無阿弥陀仏と念仏を唱えて平常心を保ってきたので、こんな日がやって来ても会者定離に過ぎないと平気なはずだったが、なぜか翌日は会社をずる休みして食事は喉を通らずやつれてしまった。
例文2.もしかしたら日本代表の監督は会者定離を恐れて、ベテラン選手を意地でも代表に呼び続けているのではと勘繰ってしまった。
例文3.進学や就職で今まで何度も友人と疎遠になってきたが、結局は愛犬や愛猫との別れが最も酷であり会者定離と受け入れるのには相当な時間を要した。
例文4.人混みだらけな東京は一瞬で何十人もが通り過ぎるので、この世は会者定離だと妙に納得できてしまう。
例文5.両親が亡くなり何年も経過したが、今でも胸の奥底には悲しみがあり、こうした永遠の別れである会者定離を経験して人は真理に近付いていくようだ。
「会者定離」を使った例文となります。

会者定離の会話例

男性
会者定離って言うけど、やっぱり突然の別れは寂しいものだよ。
女性
何年間もお世話になった上司が、突然会社を辞めるって言うんだものね。
男性
それも離島で農業をして暮らすって。今までは営業成績を上げるのが会社人としての責務って何度も口にして、それが会社に縛られるのは柵の中の家畜で人間らしさが皆無って、今までを180度否定するんだぜ。まいったよ。
女性
きっと、このまま数字に追われる生活に嫌気が差したんじゃない。ところで、来週からは私があなたの上司だから口の利き方には気を付けて。

突然上司が会社を辞める事になり、残された同僚二人の会話となります。

会者定離の豆知識

「会者定離」から”別れ”に関する四字熟語は、親愛なる者との別れる辛さ「愛別離苦」、親しい人を送る時の別れがたい気持ち「河梁之別」、親鳥の別れの悲しみから親子の悲しい別れ「四鳥別離」などがあります。

会者定離の難易度

「会者定離」は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、”離”は4級で中学レベル、”者”と”定”は8級で小学校中学年レベル、”会”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

会者定離のまとめ

「会者定離」は仏教用語で、この世で出会った者とは必ず別れるという事です。そんな悲しい運命から人生は無常であり儚い喩えにもなります。元々は「生者必滅会者定離」という文章で、それが「生者必滅」と「会者定離」の二つに分かれ、どちらも有名な四字熟語となっています。

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