【離合集散(りごうしゅうさん)】の意味と例文と使い方

離合集散(りごうしゅうさん)

「離合集散」とは「離れ離れになったり、その後再会する事」です。一見すると分かり難い言葉ですが、人間関係とはそれぞれの思惑があるので、協力したり反目になるのは多々ある事です。近所の主婦やママ友ですら大変なのですから、それが大企業の出世レース、そして政治の世界などは歪な人間関係の最たるものです。そんな付いては離れ、離れては付く「離合集散」についての解説となります。

離合集散の意味

「離合集散」の意味は以下の通りです。
・離れ離れになり、再び再会する事。
・集まっては離れて、離れては集まる。
・人々が集まって仲間を作り、また別々に別れる事やその喩え。
・「離合聚散」とも書き同義。
”離合”は「離れる事と合わさる事」「離れたり集まる事」、”集散”は「集まり散る」「集める事と散らす事」となり、どちらも基本的には同じ様な意味合いです。人が成長するにつれて、どうしても離れ離れになるのはよくある事です。一番多いのは親子関係で、進学や就職や結婚で子供が親元を離れて、その後再び一緒に同居するのはよくある事です。仕事もそんな人間関係の典型で、出世や転勤に人事異動などでかつての上司や部下と「離合集散」となるのは日常の事です。他にはスポーツ選手のチーム移籍、政治家の政党変えなども、それぞれの思惑によって選手や議員が同じ仲間になっては、数年後に再び袂を分かつのです。バラバラになったり引き離れたり、しかし、ひょんな事から再び関係修復したり一緒になるからこそ、人生とはドラマティックで面白いのでしょう。実際の使い方としては、「離合集散を繰り返す」「離合集散によって」という風になります。

離合集散の由来・出典

「離合集散」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代を代表するジャーナリスト・徳富蘇峰の著書「将来之日本」(1886年)などに文言が記されています。

離合集散の類義語・同義語

「離合集散」の類義語には、「雲集霧散」「分合集散」などが挙げられます。

離合集散の使い方・例文

例文1.両親が離婚をすると、子供達が巻き添えをくって犠牲になって離合集散してしまう場合もある。
例文2.目立たないけど実力がある選手は、離合集散として渡り鳥の様にチームを転々と移籍する事が多くなる。
例文3.東京の人混みを一度でも体感すると、この人たちは夢や希望を持って地方から離合集散してきたと勝手に思い込んでしまう。
例文4.ハローワークや新聞求人によく出ている会社は、何度も入社退社した離合集散な人々の縮図めいたものである。
例文5.大学進学と就職、その後の退職や海外留学、さらに結婚や離婚と、何かとイベントによって実家に戻ったり出て行ったりと離合集散を何度も繰り返した私の様な劇的人生も珍しい。
求人案内から結婚離婚などで「離合集散」を使った例文です。

離合集散の会話例

男性
子供の頃、親が転勤族で何度も引っ越しをしたんだよね!
女性
いいじゃない。色んな土地で住めて、楽しかったでしょう。って、子供だからその度に転校か! 嫌だよね!
男性
そうだよ。仲良くなった友達と別れて、また新しい人と人間関係を築くんだよ。だから、離合集散と聞くと嫌な思い出が走馬灯の様に蘇ってくるよ。
女性
じゃあ、私という生涯の伴侶を手にしてもう安心でしょう。私達は離合集散なんて、起こらないから。

子供時代に引っ越しが多かった夫と、そんな夫を支える妻との夫婦の会話です。

離合集散の豆知識

「離合集散」は人間同士の離れや再会を意味する四字熟語なので、そんな人間関係に関するのは、不思議なめぐり合わせを意味する「合縁奇縁」、心で通じ合う関係の「以心伝心」、三種の友人の「益者三友」、親孝行の「温凊定省」、古い友人と新しい友人の「旧雨今雨」、母と子の愛情である「噬指棄薪」、固い友情の「刎頸之交」などがあります。

離合集散の難易度

「離合集散」は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、”離”は4級で中学レベル、”散”は7級、”集”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”合”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

離合集散のまとめ

「離合集散」は家族や職場や仲間などの人間関係で離れ離れになったり、また一緒になる事です。従って、子供が就職や進学で家を出たり、結婚離婚、また政治の派閥などでも使われます。人が生きている以上、この様な関係は常についてくるので、そういった事からも人間関係の本質を突いている四字熟語と言えるのではないでしょうか。

友達と離れ離れだったが、離合集散できた。
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