一虚一盈(いっきょいちえい)
「一虚一盈」とは「虚しさと満ち足りる感情から、一定の形を保たないものは予測するのが難しい喩え」です。感情の起伏が激しく無くても、時には落ち込んだり時には楽観的になったりしますよね。今日は良い日だと思ってもその後に嫌な事があれば途端に一日中憂鬱になったりして、自分でも自分自身がどんな感情なのか分からなくなったりします。でも実はそれが普通であり、未来は常に先行き不透明なのだから、己の感情がどちらに振れるかはその時にならないと知る由もないのです。
一虚一盈の意味
「一虚一盈」の意味は以下の通りです。
・”一虚”は「ある時は虚しい」、”一盈”は「ある時は満ちる」から、或いは虚しく或いは満ちる状態の事。
・虚しい時と満ちる時から、感情などは常に変化をして予測し難い喩え。
「一虚一盈」は虚しいと満ちるという真逆の感情を繰り返す事で、どちらも強調しながらどちらの感情でもなく変化しているとなります。かなり難解な四字熟語ですが、要するに人の気持ちや月の満ち欠けなど変化するのが当たり前のものに対して使う表現です。状況によってある時は無くなるので虚しいが、別の時になると出現するので気持ちが満ちるのでしょう。どちらの状態も長続きしないが、だからこそ趣があったり楽しく飽きないとも解釈ができます。使い方としては「一虚一盈の心」「一虚一盈な気持ち」「一虚一盈して測りがたい」といった風になります。
一虚一盈の由来・出典
「一虚一盈」の由来は中国晋時代の歴史書「晋書」の「皇甫謐」となります。
一虚一盈の類義語・同義語
「一虚一盈」の類義語には、「一虚一実」「一虚一満」などが挙げられます。
一虚一盈の使い方・例文
例文1.これだけ炎天下が何日も続くと、雨が降るのを期待するがこればっかりは一虚一盈なのでどうなるか分からない。
例文2.評判が高い人気映画を観たが、内容が複雑過ぎて自分の感情は一虚一盈となってしまいちょっと理解が出来なかった。
例文3.月はとても神秘的だから眺めているだけでも、こっちも過去や未来を想像しては一虚一盈な思いに駆られてしまう。
例文4.犬や猫は人間以上に感情が豊かで、正に神がこの地に授けた一虚一盈な生き物だと思う。
例文5.転職と退職は一虚一盈な関係性で、働いていると辞めたくなり、無職になると仕事を求めてしまう。
「一虚一盈」を使った例文となります。
一虚一盈の会話例
営業成績1位の社員が交通事故を起こしたという内容です。
一虚一盈の豆知識
「一虚一盈」から”虚しい”に関する四字熟語は、心を虚しくして平静にする「虚気平心」、心を虚しくして公平無私にものを見る喩え「虚堂懸鏡」、現世の物事の移り変わりが速くて虚しいとする「無常迅速」などがあります。
一虚一盈の難易度
「一虚一盈」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”盈”は準1級で大学一般レベル、”虚”は3級で中学卒業レベル、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
一虚一盈のまとめ
「一虚一盈」は「ある時は虚しくある時は満ちる」という意味です。虚しさと満足の双方があるとして、感情など常に変化するものは予測がし難いとなります。ですから、ある種の人の将来における感情はどうなるか分からないという事で、虚しさと満足(満ちる)とは表裏一体ではないでしょうか。