【神出鬼没(しんしゅつきぼつ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

神出鬼没(しんしゅつきぼつ)

「神出鬼没」とは「素早く現われたり消えたり、出没が予測不能な人の事」です。まるで、こちらの動きを察しているのではと思うほど、突然現れたと思ったら消えてしまう人っていますよね。また、学生時代の部活動でも、さっきまでそこに居たと思ったら急に居なくなる人で、そう思ったらやっぱり居るという感じです。そんな典型である芸能記者はまさに「神出鬼没」そのもので、怪しい芸能人をとことん追いかけるので、当人からしたら存在を鬱陶しく感じる事でしょう。そんな「神出鬼没」についての解説となります。

神出鬼没の意味

「神出鬼没」の意味は以下の通りです。
・自由自在に現れたり消えたり、また出没が不意で予測できない事。
・非常に素早く現われては消えたり隠れる事。
・鬼神のように現れては消える事から、転じて、行動が自由自在で居所が予測できない。
”神出”は「神が現れる」「神が突然出る」、”鬼没”は「鬼が消える」「鬼神が突然消える」となり、恐ろしい神とされる「鬼神」の様に、まるで突然出没する事です。突然、前触れもなく現われたと思ったら、今度は突然消えるような自由自在で予想がつかない事をする人を「神出鬼没」として、驚きを持って使う場合が多くなります。従って、どちらかというとあまり良い意味では使われず、悪知恵が働く・隙を衝く・不意打ち・抜け目ない・狡猾といった際でも使われます。しかし、スポーツなどでは特にサッカーでは予測不能な動きをする攻撃的な選手を褒め言葉として「神出鬼没」を使うので、必ずしも悪い意味ばかりともなりません。仕事では、いたる現場のどこにでも顔を出す営業マンにも、半分嫌味なのか称賛なのか分かりかねますが「神出鬼没」と表現します。実際の使い方としては、「神出鬼没の盗賊」「神出鬼没な男」「神出鬼没に突然姿を現す」といった形があります。

神出鬼没の由来・出典

「神出鬼没」の由来は、中国前漢時代の思想書「淮南子」の「兵略訓」となります。

神出鬼没の類義語・同義語

「神出鬼没」の類義語には、「鬼出神行」「鬼出電入」「神変出没」などが挙げられます。

神出鬼没の使い方・例文

例文1.ドイツが誇る往年のサッカー選手・ゲルトミュラーは爆撃機の異名で得点を重ねたが、そのゴール前での動きは神出鬼没そのもので、相手ディフェンダー陣を混乱させてはゴールを奪った。
例文2.部屋の中に蚊が入ってきて、その神出鬼没ぶりに退治するのに手を焼いてしまった。
例文3.酔ってしまい駅ホームのベンチで休んでいたら、電車に乗り遅れないようにと量産型なサラリーマンが後からどんどん神出鬼没してくるので、思わず自分もそんな一人なんだと笑ってしまった。
例文4.昔はバーゲン会場に行くと神出鬼没な買い物客でごった返していたが、今はネット販売やコロナによって廃れてしまった。
例文5.車を運転していると、煽り運転をする輩が神出鬼没で現われるのは、どこの街でも一緒だ。
ドイツの名サッカー選手から迷惑をかける煽り運転ドライバーなどで「神出鬼没」を使った例文です。

神出鬼没の会話例

男性
ビックリしたー。突然どうしたの。いや、これは、…違うんだよ。
女性
何が違うの。ラーメンは禁止って言ったでしょう。医者にも止められているのに、どうしてそうやってラーメン屋に入ろうとするかな!
男性
本当にごめんなさい。でも、どうして俺がお店に入ろうとしている瞬間、神出鬼没の様に現われるのかな。
女性
そんな事はいいから、ほら一緒に早く家に帰るのよ! 約束を破ったから、今日はお酒もなしよ。

妻に頭が上がらない糖尿病の夫が、隠れてラーメン屋に入ろうとしたが妻に捕まったという内容です。

神出鬼没の豆知識

「神出鬼没」から”鬼”に関する四字熟語は、悪人が勝手に振る舞う「百鬼夜行」、鬼神が作り上げた作品というほど精巧な美術品の「神工鬼斧」、表面上は怖いが内心は優しい「鬼面仏心」、外国で死ぬ事の「異域之鬼」、成仏できない霊魂の泣き声の「鬼哭啾啾」などがあります。

神出鬼没の難易度

「神出鬼没」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”没”は3級で中学校卒業レベル、”鬼”は4級で中学レベル、”神”は8級で小学校中学年レベル、”出”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

神出鬼没のまとめ

「神出鬼没」は、まるで鬼神の様に自由自在に現れたり消えたりする事です。実生活でも、突然背後に立っている友人や同僚などを「神出鬼没」と喩えたり、また悪知恵が働いたり予測不能な行動をする人にも使ったりします。

彼はどこにでも現れる。まさに神出鬼没だ。
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