鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)
「鬼哭啾啾」の鬼が哭く(泣く)という文字から、只事ではない意味合いが込められているのではと察しますが、同時に”鬼”は仏教関連の四字熟語では使用される事も多いので、一概には何とも言えないですよね。また”鬼神”という使われ方もあり、そうなると”鬼”があるから不吉やネガティブとは言えなくなります。それでは、今回の「鬼哭啾啾」はどんな四字熟語なのか詳しく調べてみました。
鬼哭啾啾の意味
「鬼哭啾啾」の意味は以下の通りです。
・鬼気迫る恐ろしい気配を感じる。
・成仏できない霊魂の泣き声から、鬼気迫る恐ろしい気配が漂う。
・亡霊の泣き声が聞こえ、不気味で恐怖が漂う気配や雰囲気がある。
”鬼哭”は「成仏できない亡霊が泣く」「霊魂が恨めしさで泣いている」、”啾啾”は「小声で泣く」「すすり泣く」「もの悲しく泣く」となり、まるで怪談や心霊スポットに相応しい四字熟語が「鬼哭啾啾」です。大凡で上記の様な意味合いで、亡霊の泣き声が聞こえる様な恐ろしい気配となります。とんでもなく怖い時や恐怖で震えるような様子、またお墓や凄惨な事故現場などを「鬼哭啾啾」と表現します。
鬼哭啾啾の由来・出典
「鬼哭啾啾」の由来は、中国盛唐の詩人・杜甫の漢詩「兵車行」の一文となります。
鬼哭啾啾の類義語・同義語
「鬼哭啾啾」の類義語には、「奇奇怪怪」「叫喚地獄」などが挙げられます。
鬼哭啾啾の使い方・例文
例文1.学生時代、夜中に友人と学校に忍び込んだ時に体験した鬼哭啾啾な雰囲気は今でも鮮明に覚えている。
例文2.未解決事件マニアを自負する友人は凄惨な事件現場を訪れては、鬼哭啾啾な霊魂を鎮める為にまずは両手を合わせるそうだ。
例文3.深夜にコンビニからの帰り道、鬼哭啾啾な恐怖から後ろを振り向いたら、子犬が後をつけているだけだった。
例文4.ボーナスが大幅カットされたのを知らない妻が待つ家に帰る最中、玄関が近付くにつれてこの後に鬼哭啾啾な修羅場が控えているのは確実で、足が竦んでしまう。
例文5.今日も営業の契約ゼロで、重い足取りで事務所に帰り結果を上司に報告すると、全体を覆う鬼哭啾啾な空気感で逃げ出したくなった。
恐ろしい気配や恐怖を「鬼哭啾啾」として、様々な状況に当て嵌めた例文となります。
鬼哭啾啾の会話例
妻の実家で暮らす男性が、同僚女性に愚痴を吐く会話です。
鬼哭啾啾の豆知識
「鬼哭啾啾」に”鬼”が使われている事から歴史や由来などを調べてみると、日本における鬼は昔話などに登場する赤鬼や青鬼で妖怪の一種、また力強くで暴力的な印象があります。外見は頭に角が数本あり、上半身裸でこん棒らしきを持つ大男です。鬼の語源は”魂”や”霊魂”で、古代中国では亡くなった人間はまず鬼になり、そこから良い鬼と悪い鬼に分かれると伝えられています。「鬼のような」「鬼が住むか蛇が出るか」「鬼に金棒」など慣用句・諺も多く、まだまだ知られていない鬼に関する逸話や事実も数多くあるそうです。
鬼哭啾啾の難易度
「鬼哭啾啾」は漢字検定1級から4級相当の文字組み合わせで、”啾”と”哭”は1級で大学一般レベル、”鬼”は4級で中学校レベルの四字熟語となります。
鬼哭啾啾のまとめ
「鬼哭啾啾」は、成仏できない霊魂の泣き声から恐ろしい気配や恐怖といった意味の四字熟語です。とんでもなく怖い状況を表現していますが、何も心霊スポットなどばかりでなく、実際に使用する際にはそんな様を喩えて日常生活で用いる方法もあります。