【現世利益(げんぜりやく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

現世利益(げんぜりやく)

察しがいい人ならお気付きでしょうが、「現世利益」は仏教用語の事です。普通は”利益”から商売などに関連した四字熟語だと思いがちですが、”現世”は今でも仏教的な言葉としての側面が強いですよね。そうなると、”現世”は現在の事なので、仏教に繋がる意味としての「現在の利益」となるのでしょうか? それでは「現世利益」についての解説をさせて頂きます。

現世利益の意味

「現世利益」の意味は以下の通りです。
・仏を信仰した結果がこの世で実り、欲望や望みが叶う事。
・仏教用語で、信仰や修行によって利益を受ける事。
・神仏からの恵みで、「現益」「現生益」とも呼ばれる。
・「げんせいりやく」とも読む。
”現世”は「現在の世の中」「この世」、”利益”は「儲け」「利潤」「得や益になる事」となり、言葉通り受け取ると「現在の儲け」となりますが、「現世利益」は仏教用語なのでさらに深い解釈が迫られます。端的に言うなら神や仏による利益で、仏教を信仰し修行を積んだので利益を得られたとなります。さらに具体的には、念仏を唱えたり祈祷といった修行をすると神仏の加護が得られ、それによる利益です。ですから、自分一人の力による利益ではなく、仏教のご加護の下で始めて得られたのです。利益とは商売などの販売利益と思いがちですが、祈祷や念仏をすると利益として延命・息災・治病などが授かると信じられています。実際に文章で使う際は、「現世利益を願う」「現世利益を得る」「現世利益を求める」「現世利益をもたらした」といった形になります。

現世利益の由来・出典

「現世利益」の由来は、大乗仏教の経典「法華経」の「薬草喩品」となります。

現世利益の類義語・同義語

「現世利益」の類義語には、「無病息災」「除災招福」などが挙げられます。

現世利益の使い方・例文

例文1.日々お寺に通い、自宅では神棚に手を合わせていたら現世利益なのか体が健康になり、志望校にも無事に合格できた。
例文2.現世利益な信仰こそ、日出ずる国の日本ならではの習慣である。
例文3.例え毎日が厳しくて辛くても、現世利益を信じていればいつか報われる。
例文4.毎年元日には初詣をするが、今年はバーチャルで現世利益を祈願する予定だ。
例文5.友人が交通事故に遭いながらも命が助かったのは、仏教に目覚めて日頃から現世利益をしていた賜物だと信じている。
「現世利益」は仏教用語なので、仏教を信仰したお陰での利益についての例文となります。

現世利益の会話例

男性
今年は良い事が何もなかったな!
女性
そうね。あなたが交通事故を起こして、その後に私がコロナ感染して入院。ご近所からはバッシングされ、ストレスが溜まって本当に最悪だった!
男性
思ったんだけど、これって俺達の信仰心が足りないのが原因だったんじゃないか?
女性
神に感謝していなかったから、コロナ感染や事故を起こしたっていうの…。でも、信仰していないから現世利益が得られず、悪い事ばかりは納得出来ないな!

今年一年、ろくな事がなかった夫婦が宗教や信仰について会話を繰り広げます。

現世利益の豆知識

「現世利益」だけでなく、仏教では度々”利益”という言葉が使われます。商売などで儲けが出た時は”利益”が使われますが、仏教の観点からは厳密には現在の使い方はあまり正しくありません。仏教では神の恵みを「御利益」(利益)としますが、自らの益を「功徳」、神仏から得たのが「利益」であり他から益するとなります。要は、現在は自分の儲け=利益ですが、仏教によって得られた益なので、社会や他者に還元する事こそ=利益と説いています。

現世利益の難易度

「現世利益」は漢字検定6級から8級相当の文字組み合わせで、”現”と”益”は6級で小学校高学年レベル、”利”は7級、”世”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

現世利益のまとめ

「現世利益」は、仏教用語で信仰や修行によってこの世で得られる利益となります。仏教を信じて信仰すると、神によって恵みを受けられ望みが叶うのです。ですから、人々は祈祷や念仏には特別な力が宿っているとして、神棚や初詣では手を合わせて信心深くなるのです。

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