【油断大敵(ゆだんたいてき)】の意味と例文と使い方

油断大敵(ゆだんたいてき)

「油断大敵」とは「油断から失敗を招くので十分に気を付けなさいという戒めの言葉」です。どんなに実力があっても過信をすると思わぬミスをするのが人間というものです。ですから、番狂わせという言葉があるのでしょう。ですから、優秀な人や能力ある人というのはそんな些細な点にこそ注意を払い、間違わないように努力や警戒をしているのです。それでは「油断大敵」の解説となります。

油断大敵の意味

「油断大敵」の意味は以下の通りです。
 ・注意を怠ると失敗を招くので、十分に気を付けるべきという教えや戒め。
 ・油断は失敗の原因なので、大きな敵だと警戒するべきとする教訓。
 ・たかを括って失敗しないように、強敵だと思い注意するべき。
”油断”は「注意を怠る」「たかを括る」「見くびる」、”大敵”は「大勢の敵」「強い敵」「強敵」で、注意を怠ると失敗をするので気を付けなさいという戒めです。これはどんなに優秀な人でも、油断をすれば何が起こるか分からないと説いていて、たとえ弱者でも侮っていると負けてしまう事が多々あるのです。これは人生全般に言えますが、スポーツや仕事などの面では一瞬の気の緩みで大変な失敗(負け)に繋がるのです。また大事な時ほど人生とは躓くものなので、そのような機会の時ほど細心の注意を払いなさいという教えだと解釈できます。だからなのか、「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、ワザと力を隠して相手を油断させるというのは昔からの常套手段です。従って「油断大敵」と同じような教えとなるのは諺が多く、「猿も木から落ちる」「転ばぬ先の杖」「勝って兜の緒を締めよ」「攻撃の手を緩めない」など、類似のものが多数あります。

油断大敵の由来・出典

「油断大敵」の由来は原始仏教経典「大般涅槃経」(略して涅槃経)で、注意を怠る事を「油断」として、その後「大敵」も付けられ日本で使われるようになりました。

油断大敵の類義語・同義語

「油断大敵」の類義語には、「伏寇在側」「油断強敵」などが挙げられます。

油断大敵の使い方・例文

例文1.油断大敵な気持ちを常に胸に入れて、今日も職務にあたる。
例文2.成功者は己の気の緩みが最大の敵と知っているので、油断大敵とならないように精進しているはずだ。
例文3.田舎だからと玄関や窓の鍵を閉めない人が多いが、そんな地でも時々は物騒な事件が起こりニュースで報道されるのに油断大敵とならないのが不思議で仕方がない。
例文4.官僚や役人はコロナ禍でも密状態で飲み会をして、それがワイドショーで報道されてもまた繰り返すという無神経で油断大敵な感情は一切もたないウイルス以上に危険な人達だ。
例文5.油断大敵と分かっていても、何度も美人局に騙される友人はどこか憎めない人気者である。
「油断大敵」ではない人達についての例文となります。

油断大敵の会話例

男性
今日の昇進試験、絶対に頑張るよ。そして絶対に合格する。
女性
あなたなら絶対に大丈夫よ。7人の子供達もあなたを応援しているわ。
男性
分かっている。反抗期真っ盛りな子供達を見返すには父親の威厳を取り戻すしかない。その為にも頑張るよ。
女性
あなた、油断大敵って言うでしょう。簡単だと過信しないで、細心の注意をしてね。

昇進試験に挑む夫とエールを送る妻との会話内容です。

油断大敵の豆知識

「油断大敵」から”警戒”や”注意”に関する四字熟語は、枕を高くしてぐっすり眠る事から油断して警戒を怠る「高枕安眠」、細かな点まで注意が行き届き手厚く親切な「懇切丁寧」、物事を注意深く考えをめぐらし判断する「思慮分別」、大胆ながら細かな注意を払う「胆大心小」などがあります。

油断大敵の難易度

「油断大敵」は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、”敵”は5級、”断”は6級で小学校高学年レベル、”油”は8級で小学校中学年レベル、”大”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

油断大敵のまとめ

「油断大敵」は注意を怠ると失敗を招くという事で、そこから失敗したくないなら油断しないで警戒するべきという戒めとなります。あまりにも有名な言葉なので座右の銘やモットーとして、学校現場やスポーツなどで特に精神面の強化で教える事が多いようです。

油断大敵でバナナを見落とし滑ってしまう様子。
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