【旋乾転坤(せんけんてんこん)】の意味と例文と使い方

旋乾転坤(せんけんてんこん)

「旋乾転坤」とは「国の政局や情勢が一変する事」です。アメリカなら大統領、日本なら総理大臣が変わるというのは大変な事で、これまでの政治体制はもちろんながら経済方針なども真逆になる事は多々あります。ですからそれは国にとっての大騒動で、そんな事態を「旋乾転坤」と表現するのです。それでは解説に入らせて頂きます。

旋乾転坤の意味

「旋乾転坤」の意味は以下の通りです。
・国の情勢を一変させる。
・天地をひっくり返す事から、転じて、政局を一新させるや局面を一新する事。
・諺「乾を旋らし坤を転ず」(けんをめぐらしこんをてんず)も同義。
”旋乾”は「天を回す」、”転坤”は「地を回す」で、元となる意味は「天地を一回転させて正しい状況にする」です。それから上記のような政治世界、或いは様々な局面を一新や一変させるという事です。誤解を恐れずに言えば、気分一新や心機一転といった言葉をよりスケール大きくして、国政や世界情勢などに使う専門用語に発展させたとも受け取れます。よって、単なる局面が変わる時にも使えますが、スケールが大きな話題で使うのが正しいでしょう。単なる友人同士の些細な変化などで「旋乾転坤」を使うのは望ましくありません。

旋乾転坤の由来・出典

「旋乾転坤」の由来は、中国唐代時代の文人・韓愈による「潮州刺史謝上表」となります。

旋乾転坤の類義語・同義語

「旋乾転坤」の類義語には、「急転直下」「局面打開」などが挙げられます。

旋乾転坤の使い方・例文

例文1.コロナ禍が一向に治まらず、それで東京五輪を強行開催し感染者が爆発したら、その後の総選挙で自民党は惨敗し政局が旋乾転坤となるのは容易に想像できる。
例文2.今になって思うと、少子高齢化と莫大な国債大量発行という時限爆弾を抱えて、そこに震災やコロナが襲う世の中はとっくに旋乾転坤という事態になっていたが、呑気な国民と政治家はまったく気にもしなかった。
例文3.子供の頃は中東情勢やイスラエル情勢を危惧していたが、それらは世界を旋乾転坤するほどの問題ではなく、真の危機は現在進行形という事なのだ。
例文4.最近は皇族もゴタゴタしているが、そこに現在の総理が突如退任したら、本当に旋乾転坤となるだろう。
例文5.日本は何だかんだいってもGDPでは世界第三位なので、大勢の人々はどこかで安泰していた気持ちがあったが、コロナになり政府の無能さやIT分野がここまで遅れていると愕然とした人は多いと思う。ITが遅れるというのは近い将来は国力はさらに他国に抜かされるので、そこに不景気が押し寄せて旋乾転坤となった時に悔やんでも、もう戻れない。
政治や経済にコロナについて「旋乾転坤」を使った例文となります。

旋乾転坤の会話例

男性
ニュースを観ていると、総理も大臣も顔色が悪そうだね。
女性
それはコロナ対策で頭が一杯なんじゃない。それに、この前の地方選挙で惨敗したでしょう。だから、もう頭が痛くて仕方ないのよ。
男性
やっぱりそうだよね。五輪やコロナもあるけど、結局は選挙が一番大事だからね。もしかしたら、旋乾転坤となった景色がもう見えているのかな?
女性
予想はしているんじゃない。当初は絶対に衆院選で勝てると高を括っていたけど、今はそんな余裕はないよね。そうなると、最後は票欲しさに給付金の大盤振る舞いがあるかもよ。

男女2人が今後の政局について会話を弾ませています。

旋乾転坤の豆知識

「旋乾転坤」から”政治”に関する四字熟語は、政治や文化や経済が乱れて停滞する「暗黒時代」、武道と学芸の両方を重んじて政治の礎とする「緯武経文」、公平で思いやりがある政治が行われ平和で楽しい「王道楽土」、民衆にとっては苛酷な政治は人喰い虎よりも恐ろしい「苛政猛虎」などがあります。

旋乾転坤の難易度

「旋乾転坤」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”坤”は準1級で大学一般レベル、”旋”は準2級で高校レベル、”乾”は4級で中学レベル、”転”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

旋乾転坤のまとめ

「旋乾転坤」は元々は天地をひっくり返すという事で、それから、政局が一変するや局面が一新するという意味です。しかし、その多くは政治関連で使われる事が多く、例えば政権交代などは最も相応しい「旋乾転坤」となります。

施乾転坤する。
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