【大器小用(たいきしょうよう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

大器小用(たいきしょうよう)

「大器小用」とは「能力者に退屈な仕事をさせる事で、そこから、才能を活かせないや人材の使いこなしが出来ない事」です。これは部下や若手の方が仕事ができると、上司や先輩としては面白くないものですよね。その感情が強まると、敢えて退屈な仕事をさせるなどのイジメめいた行動に出る場合もあるのが人間社会なのです。もちろん、中には悪気がまったくなく能力があると気付かずに簡単な仕事をさせる場合もあるので千差万別なのでしょう。そんな「大器小用」についての解説となります。

大器小用の意味

「大器小用」の意味は以下の通りです。
・才能ある人物に退屈な仕事をさせる事。
・能力ある者を敢えて低い地位に置き、つまらない仕事をさせて才能を活かさない事。
・大人物に退屈な仕事をさせる事から、転じて、人材の使いこなしが出来ない喩え。
”大器”は「大きな入れ物」「人並み以上の才能や器量」「大人物」、”小用”は「ちょっとした用事」「簡単な仕事」「小便」となり、大物のような人物に退屈な仕事をさせたり、或いは人材の使い方が下手くそな事が「大器小用」です。”大器”は「大器晩成」で使われる事からも、大物や才能ある人という意味合いで、”小用”は誰でも出来る簡単な仕事です。また、大きな入れ物である”大器”に小さなものを入れて使うという事から、器の使い方が下手となり、それが才能ある者の使いこなしが出来ないという喩えともなります。実際の使い方は、「大器小用に不満の声」「大器小用をさせる」「大器小用を受け入れた」といった風になります。

大器小用の由来・出典

「大器小用」の由来は、中国後漢時代の歴史書「後漢書」の「辺譲伝」となります。

大器小用の類義語・同義語

「大器小用」の類義語には、「大材小用」「大才小用」などが挙げられます。

大器小用の使い方・例文

例文1.性格が悪い上司は、能力ある部下を大器小用にする事で日頃のストレスを発散していると思われる。
例文2.スポーツの世界は実力主義というが、監督に嫌われたら大器小用となるのは誰が見ても明らかだ。
例文3.派遣やバイトで若い人材を好きなように大器小用として使ってきたツケが、現在の少子化や経済落ち込みだと気が付かない大臣や役人がいるのだから笑ってしまう。
例文4.大企業で出世すると世間からは優秀な人という扱いをされるが、単にコネ入社で大物にゴマをすったのが実情で、優秀だが個性が強いと悲しいかな大器小用となるのが日本社会だ。
例文5.アルバイトの管理や適材適所ができないでいたら、上司から「大器小用になっている」と小言を受けた。
優秀な人が報われない日本社会などの例文となります。

大器小用の会話例

男性
ごめん。仕事が辞めたくなった…。
女性
またー。今度の会社は働き始めて、まだ半年ぐらいだよね。
男性
それは分かっているけど、俺の才能を誰も分かっていないんだよ。誰でも出来る簡単な仕事ばかり押し付けて。これは大器小用で、俺の能力を無駄にしている。
女性
はいはい。あなたに能力があるのは分かったから、明日も頑張って働いてね。我が家はローンもたっぷり残っているのよ。

仕事を辞めたくなった夫と、それを上手にフォローする妻の会話やり取りです。

大器小用の豆知識

「大器小用」は現在の日本社会では非常にまかり通っていて、それは年功序列や終身雇用、或いは派閥などの縦社会が大きく関係しています。能力ある者を使うよりも、自分の身内や手下を使う方が自己保身として役立つからです。これが日本経済の衰退の大きな要因となっていますが、権力者ほど「大器小用」な状況を好むので変わりようがありません。

大器小用の難易度

「大器小用」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”器”は7級で小学校中学年レベル、”用”は9級、”大”と”小”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

大器小用のまとめ

「大器小用」は”大器”が才能ある人物や大物、”小用”が簡単な仕事となり、優秀な人物に誰でも出来る簡単な仕事をさせる事です。又、そこから人材の使いこなしが出来ない喩えでもあります。現在の日本だけでなく、かつての古代中国でも人間関係によるものなのか同じような問題を抱えていたようで、興味深く感じる四字熟語となっています。

大器小用で退屈な様子のベテラン。
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