十中八九(じっちゅうはっく)
確率が好きな人は｢十中八九｣が口癖となっている人も多いのではありませんか？ また、競馬や競艇などギャンブル好きな人も、固いレース展開を｢十中八九で当たる｣と自身満々に言うものです。そういった場合は大抵外れるものですが、高確率を意味する｢十中八九｣について解説となります。
十中八九の意味
｢十中八九｣の意味は以下の通りです。
・殆ど全て。ほぼ全部。大半。高確率。
・10回のうちに8回から9回は成功または失敗する。十の内で八か九の割合。80～90％の確率。
・｢じゅっちゅうはっく｣とも読む。諺｢十に八九｣も同義。
｢十中八九｣は殆どやほぼ全てという意味です。十のうちの八か九となるので、実際に使用する際には｢十中八九で成功する｣や｢十中八九で失敗する｣といった感じの高確率を表現しています。前者だと十回の内に八から九回は成功するで、後者は十回で八から九回も失敗するとなり、どちらも結局は高確率となるのです。また、話し言葉のような側面もあるので、ある事を強調する際に実際にはそんなに上手くいかなくても思わず、｢十中八九で成功するから大丈夫｣といった感じで使用されます。
十中八九の由来・出典
｢十中八九｣の由来は、残念ながら不明です。諸説入り乱れて、江戸時代頃が発祥という説もありますが根拠はありません。文献としては、近代日本文学に貢献した小説家･坪内逍遥の｢当世書生気質｣(1885年)などに文言が残されています。
十中八九の類義語・同義語
｢十中八九｣の類義語には、｢九分九厘｣｢絶対多数｣などが挙げられます。
十中八九の使い方・例文
例文1.十中八九の儲け話があるという騙しに、兄はすっかり引っ掛かり、公務員として10年貯めた貯金を全額失った。
例文2.十中八九で彼女は俺の事が好きだと豪語する友人には気の毒だが、その彼女と今付き合っている。
例文3.十中八九の固いレースという世間の声に期待して給料をお馬さんレースにつぎ込んだ結果、あくる日は嫁に土下座して3ヶ月の小遣いなしが決定した。
例文4.人生とは十中八九の高確率でうまくいかないものだ。
例文5.寝たきりの祖父が、コロナが来年終息する可能性は十中八九どころか100パーセント無理だろうと呟いた。
人生、恋愛、博打などに｢十中八九｣を使った例文となります。
十中八九の会話例
デートの約束をしていたカップルだが、男性の方が急遽仕事になったという会話です。
十中八九の豆知識
｢十中八九｣は80～90％の確率、ほぼ全部という事で、端的に言うなら殆どや大凡という事です。100％を意味する四字熟語は｢百発百中｣｢百歩穿楊｣、または｢一了百了｣なども近いものがあります。実際には｢百発百中｣といっても時には失敗や間違いもあるでしょうが、｢十中八九｣よりもさらに自信がある時に用いる表現となります。
十中八九の難易度
｢十中八九｣はすべての文字が漢字検定10級相当の文字組み合わせで、小学校低学年レベルの四字熟語となります。
十中八九のまとめ
｢十中八九｣は、殆ど全てや大凡、又は10回中に8～9回は成功(又は失敗)するという高確率を指す四字熟語です。要するに自信がある時、可能性が高いと感じる時に話し言葉のように何かと使われる、大勢の人々に大変馴染み深い言葉となっています。
