【温故知新(おんこちしん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

温故知新(おんこちしん)

「温故知新」とは「過去の知識や研究など、昔の事を改めて調べて再発見する事」です。歴史や伝統を蔑ろにするのではなく、昔を知る事で新たな驚きとなって現在でも通用する事ってあると思います。要は、古いと否定するのではなくどんな事からも学び吸収する柔軟な発想が大事なのです。そんな事を思い知らされる「温故知新」についての解説となります。

温故知新の意味

「温故知新」の意味は以下の通りです。
・以前学んだ事や昔の事を調べ直したり考え直して、新しい道理や知識を探り当てる。
・過去の知識を再び研究して、新しい見解を開く事。
・古典や伝統や昔の学問などを研究して、新しい意味や価値を再発見する。
・諺「故きを温ねて新しきを知る」(ふるきをたずねてあたらしきをしる)も同義。
・「故きを温めて新しきを知る」(ふるきをあたためてあたらしきをしる)とも読む。
”温故”は「昔の事を調べる」「歴史」、”知新”は「新しい知識や道理を見つける」で、昔の学問や伝統などから新しい知識などを再発見するのが「温故知新」です。”温”は冷たいものを温め直す、訪ね求めるという意味もあるので、そこから、古い物を訪ねて新しい事柄を知るともなります。よって、端的に言うなら「過去から現在を知る」「歴史や経験から学ぶ」とも解釈できます。新しい事を学ぼう、研究しようとすると、どうしても過去を蔑ろにしがちですが、過去から学べる事も無数にあり、それどころか過去があるから現在を再発見できるのです。このような考えが「温故知新」で、学問や研究だけでなく伝統分野や芸術、スポーツや政治など何にでも当て嵌められます。

温故知新の由来・出典

「温故知新」の由来は、中国春秋時代の思想家・孔子の言葉をまとめた「論語」の「為政」となります。

温故知新の類義語・同義語

「温故知新」の類義語には、「覧古考新」「承前啓後」「因往推来」などが挙げられます。

温故知新の使い方・例文

例文1.学生時代の教科書を読み直したら、当時は理解できない事がすんなり受け入れられ、温故知新と成長した自分がいて驚いた。
例文2.本当の意味で温故知新となれる人は極僅かで、大勢が過去の過ちを知っていても歴史は繰り返すのである。
例文3.政治家や官僚の「記憶にない」という答弁を聞く度に、現実は温故知新とはならずに歯痒い。
例文4.最新のヒット映画や人気曲などはそれこそ温故知新とも言うべき過去の名作から影響を受けているものばかりだが、若い人ほど頭が固いのか新人監督やアーティストのオリジナルだと頑なに認めない。
例文5.日本がもっと積極的に温故知新の考えを政治や経済でいかせていれば、今頃は世界一の大国になったのかも知れないが、全ては水の泡となって消えた。
過去から学ぶや過去の悪影響として「温故知新」を使った例文です。

温故知新の会話例

男性
来週は京都に出張なんだ。
女性
いいなー、京都。今の時期は最高じゃない。
男性
もう10年ぶりぐらいで久しぶりだし、温故知新ではないけど、歴史ある神社仏閣から良いアイディアをもらってくるよ。
女性
あなた、お土産も忘れないでよ。

京都への出張が決まった夫とその妻の日常会話となります。

温故知新の豆知識

「温故知新」のように孔子の「論語」を由来とする四字熟語は、粗末な衣類と粗末な食べ物から貧しい生活の「悪衣悪食」、友人を選ぶ三つの心得で正直と誠実と博識の「益者三友」、説明ができない不可思議な現象「怪力乱神」、手近なところから学び始めて進歩向上する「下学上達」、とても恐れる「戦々恐々」などがあります。

温故知新の難易度

「温故知新」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”故”は6級で小学校高学年レベル、”温”は8級で小学校中学年レベル、”知”と”新”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

温故知新のまとめ

「温故知新」は昔の事を改めて調べると新しい発見があってそれが現在でも活かせるので、言葉通りに「古いものから新しい事を知る」となります。よって、歴史や過去から学んだり参考にして、現在に再構築する考えが「温故知新」です。

昔の物を発見する温故知新を表した画像。
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